さまざまな制約から解放してくれるのがインターネット
通常のコミュニケーションにはさまざまな制約があります。例えば時間。例えば場所。そしてコストやプライバシー。インターネットはこうしたコミュニケーションの制約を取り除くことで普及してきました。メールが便利と言われたのはまず離れた場所にいる人に連絡をするのにコストがかからないこと、そして相手の時間に割り込まないことです。これはコストや場所、時間の制約からの解放を意味しています。
あるいは2ちゃんねる。2ちゃんねるの功罪についてはさておき、筆者はプライバシーを守ったコミュニケーションを可能にした点で、2ちゃんねるを評価しています。意見と発言者を分けることによって、普段は言いづらいことが言えるようになる。ここ数年、内部告発が増えたのは2ちゃんねるの影響があると見ています。
もちろん、こうしたコミュニケーションコストを下げる効果はブログにもSNSにもあります。筆者の知人がSNSに登録して喜んでいました。その人はある劇団のファンだったのですが、自分の周辺には同じ劇団を見に行く友だちがいなかったそうです。でもSNSにはその劇団のファンが運営するコミュニティがあり、全国からファンが集まっていたので友だちができたと言っていました。
このようなことはパソコン通信の頃から起こっていたことですが、インターネット利用者が増えたことでより繋がりやすくなったのも事実です。インターネットがなければ出会えなかった関係は筆者にもたくさんありますが、これは従来の制約を取り払うことで生まれたのです。
また、インターネットの価値は、コミュニケーションコストを下げる点にあります。とりわけ企業のマーケティングにおいては、「消費者との距離を縮め、より深いコミュニケーションを可能にすること」が資料のタイトルにもなっている「インターネットの本当の価値」なのです。