ホリスティック・マーケティングを考える際に大切なのは、それぞれのメディアやツールの持っている本当の価値を正しく把握することです。その上で適材適所な活用をしなければなりません。過大評価も、過小評価も、そこにあってはいけません。今回は、筆者が10年以上関わってきたインターネットの価値について理解しましょう(この記事の前編はこちらへ、バックナンバーはこちらへ )。
そもそもインターネットの価値とは
それでは、そもそもインターネットの価値とはなんなのでしょうか。最初に、よくある誤解について話しておくと、インターネット広告が安いという認識が多くの人の中にあるようです。これは間違いです。
これまで述べてきたとおり、そもそもメディアとしてのリーチ(到達性)やリッチネス(表現量)が異なるので比較が難しいのですが、単純にテレビCMとネット広告を比較しても、前者が画面を占有しているのに対して、後者は画面のほんの一部に表示されているだけです。スクロールしないと見られないことも少なくありません。(ジャックと呼ばれる)占有するタイプのネット広告もありますが、利用者には歓迎されていません。
また、SEMを運用したことのある人なら実感していると思いますが、ネット広告のROIが高いというのも半分ホントで半分ウソです。キーワードを選別していくことで、CPAを抑えていくことはできるかもしれませんが、確実に売上のボリュームも小さくなります。絞って、ピンポイントで広告を出そうとすればするほどROIの向上に反して、売上の絶対額は小さくなりますし、大きな売上を作ろうとしてターゲットを広げれば、ROIは急激に低下してマスメディア並み(あるいはそれ以下)になります。アフィリエイトなどの成果報酬ならROIは一定ですが、これも同じでアフィリエイトだけで大きな売上を作ることは難しいです。
制作費はネット広告のほうが安いかもしれませんが、そもそもテレビCMと同等のクオリティで作ってないですし、個人的にはもっとお金をかけていくべきだと考えます。クリエイティブが違えばCTR(クリック率)が数倍変わることはよくあることですし、それは最終的には売上にも大きな差となって現れると信じています。
どうもネット広告というと、ROIの話ばかりが出てきて、筆者は少々辟易気味なのですが、売上を作っていくためにかけるべきコストはしっかりかけなければなりません。
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河野 武(コウノ タケシ)
1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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