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コメ兵が仕掛ける、Dual AISAS Modelを活用したテレビxSNS連動プロジェクトの全貌


 2016年4月3日より、テレビ朝日のSNS連動番組「#モデる」がスタートした。一社提供スポンサーのコメ兵は同番組を通じて、新しい消費行動モデル「Dual AISAS Model(R)」を活用したプロジェクトを実施し、関東における認知とサービス理解の向上といったマーケティング課題の解決を目指すという。テレビCMの真価が再考される今、あらためてその価値を関係者たちへ問うた。

狙ったターゲットに向けて、効率よくブランドの認知度を上げたい

  コメ兵は1947年に名古屋で創業した総合型リユースストア。2017年には創業70周年を迎え、日本全国に約40店舗を展開している。歴史的にもリアル店舗の販売力が強い企業だが、オムニチャネルを活用した「お取り寄せサービス」など、リアル店舗とWebを融合した施策にも積極的に取り組んでいる。

 そんなコメ兵は、「関東における認知とサービス理解の向上」「ECサイトのアクセス数および店舗来店数の上昇」といったマーケティング課題を解決する目的で、4月3日よりテレビ朝日のSNS連動番組「#モデる」を軸とし、新しい消費行動モデル「Dual AISAS Model(R)」を活用したプロジェクトをスタートした。テレビとネットの融合が加速し、様々なメディアのコミュニケーション上の役割が再構築される今、それらを有機的にコミュニケーション設計に組み入れた同プロジェクトの狙いについて、関係者たちに迫った。

(左)株式会社コメ兵 WEB事業部G IT事業部長 藤原 義昭氏
(中央)株式会社コメ兵 営業企画部長 吉田 浩之氏
(右)アタラ合同会社 取締役 COO 有園 雄一氏

有園:4月3日から、テレビ朝日さんのSNS連動番組「#モデる」を軸とした、新しい消費行動モデル「Dual AISAS Model(R)」を活用したプロジェクトが始まりました。番組終了後に30秒のCMが流れるのですが、SNSで投稿された一般の方の投稿写真をそのCMの素材として活用し、一般の視聴者の方と一緒にコメ兵のブランドを表現し、作っていくことでエンゲージメントを深めていきます。そして番組と連動するコメ兵のプロジェクトサイト「Web #モデる」では、番組では選ばれなかった投稿者を「次点ファッショニスタ」として、「着せ替えモデル」の一言コメントを付けて、毎週数名ほど紹介していきます。

プロジェクトサイト「Web #モデる」

 

【番組概要】コメ兵は『#モデる』の1社提供スポンサーで、毎週日曜日の夜11時10分から15分まで放送される。この番組では、InstagramやFacebook、Twitterで一般の方から全身コーディネート写真をハッシュタグ「#モデる」を付けて投稿してもらい、投稿された写真の中から「この人いいな」という方を選んで番組に出ていただく。その方のお家に人気モデルや著名人が訪れて、視聴者の洋服を使い、視聴者と人気モデルらが一緒にファッションコーディネートを楽しむ。

有園:ここでコメ兵の吉田さんにお伺いしたいのですが、今回のプロジェクトに踏み切った目的や狙いをお話しいただけますか。1社提供番組のスポンサーになるのは、そう簡単なことではなかったと思いますが。

吉田:コメ兵が今向き合っている最も大きな課題の一つが、関東での知名度・認知度の向上です。創業の地である名古屋では69年の歴史もあり、多くの方が知っているブランドなのですが、関東においてはまだ大きなポテンシャルがあると考えています。競合他社がひしめく市場環境の中、効率よくコメ兵の存在感を増していきたいと思っていたところに、今回のプロジェクトのお話しをいただきました。

有園:「効率よくブランドの認知度を上げる」、ここが大事なポイントだと思います。一般的には、リーチに対するコストを下げるには1社提供のタイムCMよりも、スポットCMのほうが向いているとされています。それは単純なリーチコストという視点ではなく、コメ兵の狙う今回の施策のターゲットである“20代後半くらいでファッションが好きな女性”に対して効率よくリーチするということでしょうか。

吉田:そうですね。やはり、ファッションが好きな人が集まってくる番組にCMが入るのは、スポットCMとは違う意味での効率性があります。また番組の放送時間は5分と短いですが、前後に必ず提供社の名前が放送されること、自社のCMだけが入ることも魅力です。

テレビCMの種類

(1)タイムCM
個別の番組を提供し、その番組に含まれるCM枠内で放送する広告。タイムCMのセールスの最小単位は30秒で、期間は2クール(6か月)が基本。放送エリアと提供表示の有無で分類される。メリットとしては、「番組の人気(=視聴率)でCM視聴者数の拡大が狙える」「目的とする訴求対象へ効率よくアプローチできる」「番組イメージの企業イメージ・商品イメージへの反映が狙える」「30秒以上のCMスペースを利用できる」「競合社のCMを排除できる」「固定の番組を提供しているため社内、系列企業へのPR効果が期待できる」「特定時間帯のCMのみ買うことができる」など。

(2)スポットCM
番組に関係なく、局が定める時間に挿入されるCM枠内でCMを放送する広告。スポットCMのセールスの最小単位は15秒。タイムとは異なり、購入できる期間は自由に設定できる。例えばある商品のキャンペーン期間中のみ購入してCMを放送することが可能。
参照:「日テレ広告ガイド」

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/05/23 17:47 https://markezine.jp/article/detail/24204

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