お買い物好きの中国人、ベトナム人も無視できない存在に
中国人観光客による大量消費、いわゆる「爆買い」は日本経済を下支えするまでに急拡大している。近年、海外からの観光客が激増したのは言うまでもなく、円安による恩恵が大きい。ドルに連動する通貨によって日本への旅行代金が3分の2ほどに下がり、さらに格安航空会社(LCC)の急速な普及によってアジア地域などからの旅行費用がさらに安くなった。
中国人による「爆買い」も円安によって、関税がかかっている中国国内での商品購入よりも、日本に行って買った方が安いという価格差が大きな動機になっていると言えるだろう。
「中国国家旅游局」によると、中国海外旅行者の海外に於ける消費市場規模は6,841億元(おおよそ1.37兆円)に上り、その内、個人旅行による消費は80%を超えている。地域分布で見ると、日本、韓国及び欧米諸国における一人あたりの支出が7,000元(おおよそ140,000円)を超え、同昨年と比較すると16%ほど増加したことが分かる。報告書の中で、その53.6%が「お買い物」を主な目的に据えており、海外における消費金額の55.8%をお買い物に費やしていることも明らかになった。
冗談のように聞こえるが、昨年一年間ロンドン、ヒースロー空港を訪れた中国人観光客は全旅行客の1%ほどであったにも関わらず、免税品売上額全体の25%に貢献したとのデータがある。それほど中国人はお買い物が好きなのだ。
2015年、訪日観光客による一年間の消費総額は3兆4,700億円、同昨年と比較すると47.1%ほど成長した。旅行者一人あたりの消費支出も16.5%増加し、17万6168円になったことから、消費意欲が増大していることが分かる。これは、中国に限らず、ベトナムなど新興アジア国からの貢献も大きい。
観光庁「訪日外国人消費動向調査」報告書によると、アジアの中で第1位の中国、第2位のシンガポールに続き、ベトナムは第3位で「約17万5千円」を訪日中に消費。また、「買い物代」にかける金額も、アジア第1位中国、第2位香港に続き、ベトナムは第3位で「74,554円」と無視できない存在になりつつあるのが伺える。
