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アイデアとストーリーに説得力を持たせるコツ

 さて、このアイデアとストーリーを作ることができれば、あとは説得力を付ける工夫をする。説得力のある話にするコツとして、自分なりに意識しているのは、本質的なクライアントの課題を抉り出して、その課題を解決する材料をピックアップし、その材料をロジカルに展開する。そして、うまくクライアントにわかりやすいストーリーに仕立てていくことだ。

 ここでは、論理的な思考回路、ロジカルシンキングの能力が問われることになる。ロジカルシンキングをどのように修得するかについては今回は触れないが、簡単に言うと、日常的に論理的に考える癖を付けるしかないとは思う。

 そもそも、論理的で説得力のあるストーリーを作るためだけではなくて、その前段階で必要な作業、つまり、クライアントの本質的な課題を抉り出す作業にも、ロジカルシンキングが要る。その能力があるかどうかで、コンサルタントとしてやっていけるかどうかが決まってくると思う。

現象と課題を識別する

 余談だが、クライアントから出てくるオリエン資料に、明示的に課題が記載してあることもよくある。だが、クライアントがオリエン資料に書いている課題が本質的な課題であるとは限らない。多くの場合、クライアントが掲げている課題は、「現象」であることが多い。

 デジタルマーケティングの場合、課題は「CPAが高騰していること」「コンバージョン数が伸びないこと」だとクライアントから言われることが多い。でも、それは課題ではなく、いま起こっている現象だ。たとえば、CPAが高騰している場合に、それが起こっている背景や理由、原因がある。その原因を突き止めて、そこに対して解決策を施さない限り、現象が改善することはない。

 その原因こそを解決すべき題材として課して(つまり、課題として設定し)、実現可能な解決策をソリューションとして提示して実施していく、PDCAを回していく。そういうストーリーを提案しなければ説得力のある話にはならない。

 クライアントのオリエン資料は、社内事情などもあって各部署の力関係などを反映した形で問題点を単に並べているケースもよくある。あるいは、そもそもクライアント自身が自社の課題について理解していないケースも多い。それらを踏まえて、解決すべき課題を客観的に指摘する、そして、実現可能な解決策を提示することができるかどうか。デジタルマーケティングコンサルタントの力量が問われる。

ゴールイメージをクライアントと共有する

 そして、この課題の抽出、アイデアとストーリーをロジカルに構成することができたら、資料の最後に必要なのが、ゴールイメージをクライアントと共有することだ大事だ。

 私に仕事を依頼していただき、このアイデアとストーリーに従ってエグゼキューションして、PDCAを回していけば、こういう結果に導いていきますよ、つまり、こういうゴールに辿り着くというプランになっていますよ、という話をきちんと示しておくことができるかどうか。これも提案段階で大事なことだと思っている。

 ここまでの話を図に示すと、上記のような図の感じになる。ざっくりとしているが、おおむね、こういう流れで提案資料を構成しているのが自分のやり方だ。アイデアがあって、それを基にして施策がいくつかある。その施策が課題を串刺しにしていて、そのままロジカルにゴールイメージにつながっていくストーリー構成である。

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成否のカギを握る、プレゼンで意識すべきこと

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/04/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/24298

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