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「態度変容には動画が効果的」ANAセールスが挑戦する旅行商材の動画ブランディングとは


態度変容には動画が効果的

Viibar:貴社では動画マーケティングに対する周囲の理解や興味はどういった状況でしょうか。

ANAセールス:前提として、弊社はまだ動画を活用した経験が多くはないので、動画マーケティングに対する認知、そして必要性の理解と浸透を図ることに課題認識を持っています。ただ我々の部署は担当者からの新しい施策提案を歓迎する風土がありまして、どんどん新しい施策に挑戦してみなさい、と言われています。

 動画に関しても、大手企業が次々と動画施策を開始している状況を踏まえて、重点的に取り組む対象として理解をもらっています。なので、我々担当者としては挑戦しやすい環境なので、今後も次々動画施策を仕掛けていきたいと思っています。

Viibar:多くの会社様が興味のあるテーマだと思うのですが、貴社では動画マーケティングに対する予算や計画はどのようにお考えでしょうか。

ANAセールス:現状については、まずは半期に1本は作って挑戦してみよう、という形でチャレンジ枠になっています。今後これを2、3か月に1本だったり、もっとこまめにやるというところまで持って行きたいと思っていますが、それにあたっては中長期の目線が必要だと思っています。

 現状、我々の施策は単発で考えている傾向がありますが、それだと一瞬認知度は上がっても、すぐ下がってきてしまう。この波を出来るだけ無くすために、継続的、中長期的に考えなければいけないだろうと思っています。

Viibar:マーケティング戦略上、別に動画以外の手段でも良いのではないか、という意見はありませんか。

ANAセールス:現状、動画はコンバージョンを直接生む手段として優れているわけでは無いので、「どうなの?」と思っている人も結構いるとは思います。ただ、弊社の場合は「旅作」の認知をまず拡大して、ブランドを受け入れてもらいたい、という狙いがあります。こういった態度変容を起こすには動画が適していると考えています。

 Viibarさんから、これくらい認知度が上がりました、好感度が上がりました、利用意向が上がりました、という数値を頂きましたが、そういった数字を参考にしながら「動画は有効的であり、影響度が高い」という事を伝えています。

単発施策から継続施策へ 定点観測で結果を測りたい

Viibar:特にオンラインでコンバージョンがある商材を扱っている会社様だと、動画を使い始める際の説得が難しい、という方が結構いらっしゃると思います。その中で、貴社は認知という動画の価値を見出されていますが、それに取り組む背景はあるのでしょうか。

ANAセールス:現状、ダイナミックパッケージ(旅作)よりも、「ANAハローツアー」や「ANAスカイホリデー」などパッケージツアーの方が売上比率が大きいのですが、今後はそれを逆転させるところまで持って行こうとしています。ただ、ダイナミックパッケージは中々理解しにくい言葉でもあります。

 他の会社様はダイナミックパッケージ、という呼び名をそのまま使っていますが、弊社の場合、「旅作」という商品名をつけていて、「ダイナミックパッケージの中の旅作」、ではなく「ダイナミックパッケージといえば旅作」というくらいの認知やブランドイメージを得ていきたいと思っています。

Viibar:ブランディングというのは、売上にダイレクトに響くわけではないので、ダイレクト商材の企業様だと費用をかけにくい分野だと思います。一方で、「ブランドは全てを解決する」なんて言われることもありますが、ブランディングは究極的にはマーケティングを不要にしてしまうくらいの確実な力があります。

 例えば高級ブランドは、特別な機能を訴求したり、価格競争に乗らなくても売れる訳です。ブランドは見えないけども必要な、縁の下の力持ちみたいなものです。認知寄りの動画キャンペーンはブランディングなので、獲得寄りのウェブ広告と同じルールで評価すると見誤ってしまいますよね。

ANAセールス:まさにそうですね。「旅作」については認知が大きな課題ですが、認知拡大は一発で解決するものではなく、継続して実施していくことが解決の糸口になると思っています。そういった事が見えてきた事自体が、今回実施した2つの施策の価値だとも思います。

 したがって、今後例えば3~5年位のスパンで認知を伸ばしていくという目標を作り、半期に一回くらい認知度を調査しながら追っていく、というような事に取り組みたいと思います。

 また、ある程度認知を取っていくことができた後は、どう増収につながるのか、というステージに進みます。その時にはまた違う動画マーケティング施策が求められてくるのだろうと思います。我々としては、早くセカンドステージに進むご相談をさせていただきたいと思っています。

Viibar:今後挑戦してみたい動画施策はありますか?

ANAセールス:一つ興味があるのは、ユーザーの利用頻度に応じて、異なる動画クリエイティブを当てていくような施策です。今まで一度も弊社商品をご購入頂いた事のないお客様に対しては認知寄りの施策を出しながら、いつもご利用頂くリピーターにはさらなる利用を促すような施策を行う、という考え方です。

 弊社では、ウェブサイトの分析改善にAdobe Marketing Cloudを利用しているのですが、ターゲットに合わせたコンテンツの出し分け等も出来るようになっているので、お客様の行動履歴やモチベーションに応じた動画の出し分けに取り組んでみたいです。

 サイト訪問者が、このツアー興味あるな、と思って空席状況や料金を調べようとしたら、照会段階から購入段階へ進んでもらうべく、商品内容や行き先の動画を表示させ、背中を押してくれるような施策をできるかもしれません。

Viibar:確かに、動画を使って上手に情報提供することで、普段リピートで使っていただいている方に新しい使い方を提案したり、アップセルしたり、という方法はまだまだありそうですね。本日は貴重なインタビューありがとうございました!

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この記事の著者

小野 敬明(オノ タカアキ)

外資系コンサルティングファームにて戦略コンサルティングに従事した後、2014年に企業のデジタル動画マーケティングを支援する株式会社Viibarに参画。自社のマーケティング活動を統括すると共に、動画を活用したマーケティング戦略や、データを基にした動画の企画・制作メソッドの開発を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/04/23 16:24 https://markezine.jp/article/detail/24306

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