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【出張版】fluct magazine

インハウス広告運用のメリット・デメリットを、担当者にズバっと聞いた

データフィードの組み方が非常に重要に

── 月間で億単位の広告費のうち、どの程度の運用型広告を利用しているのですか?

 運用型広告を利用しているのは予算の3~4割くらいですね。残りを純広告やアフィリエイトなどに利用しています。一通り主要なアドネットワーク、DSPは使ってみましたが、獲得効率の観点からほぼ一社に落ち着きました。もちろんそこでは取りきれないユーザーや、配信できないメディアがあるため、随時GDNやYDNも利用しています。

── 運用では具体的にどのようなことを大切にしていますか?

 テクニック論的な話でいうと、入札単価の調整は重視しています。ディスプレイ広告でいえば、入札単価がとある金額を1円でも越えると一気に配信量が増える「しきい値」みたいなものがあるようなんです。したがって、キャンペーンごとに今回のユーザーの「しきい値」がどの辺にあるのかは、注意深く探るようにしています。

 また、最近効果を実感しているのはデータフィード広告ですが、データフィードの組み方は非常に重要だと感じています。データフィードを正しく組むことが効果的なクリエイティブを作ることにつながるので、このあたりもとても気にしています。

── 先ほどディスプレイ広告の視認効果やアトリビューションというお話がでました。正直に申し上げて、会員獲得系のクライアントさんはこれまでCPAをいかに安く抑えて多く獲得するのか?ということが重要だったと思うのですが、御社がアトリビューション分析などに力を入れている理由を教えて下さい。

 確かに最後の獲得だけ考えればCPAが最も大切な指標です。なるべく低予算で多くの会員を獲得できれば、ある意味それが正解だとも言えます。しかしそれは、会員になるためのたくさんのハードルの最後の1つの話ですよね。新しくメディアを立ち上げていくときに、広告を使ってある程度の会員を集めることは大切です。しかし、少しずつメディアが成長するにつれてSEOが伸びていきます

 ソーシャルや口コミによる登録だって伸びてくる。つまりこれまで「会員獲得=広告」だったところから、「会員獲得=広告+SEO+ソーシャル+……」といった形で、広告が担う割合が少なくなるはずです。

 そうすると、これまで広告に必要だったお金が徐々に必要なくなる。その余ったお金を従来のCPA型の広告、つまりラストクリックのところではなく、認知からコンバージョンまでの様々なハードルを下げるために使えば、いろいろな施策の効果が底上げされます。

視認効果は存在するのか

── 本当に視認効果って存在するのですか?

 2年前に弊社が運営する「看護のお仕事」というサービスで、バナー広告には視認効果があるのか?という実験をしたことがあります。広告を配信する対象者を2つの群に分け、1つの群には「看護のお仕事」のバナーを見せて、もう1つの群には、弊社が運営する、ターゲットがまったく異なる別サービスのバナーだけを見せます。

 もし視認効果が存在しないのであれば、最後のバナーのクリエイティブのみがCVRに影響するはずで、それまでに関連する広告を見せていたか、見せていなかったかは影響しないはずです。つまりCVRはほぼ同じになると仮定されます。

 結果は、CVRで1.5倍です。この結果はかなり衝撃的でした。ラストクリックの場所だけでCVRを1.5倍にするなんてかなり無茶ですよね。しかし、それまでのユーザーのタッチポイント一つひとつに対して施策を打って、ハードルを少しずつ下げてあげると、それが掛け算のように効いてきて、最後は1.5倍もの差になるのです。この結果をうけて、現在弊社ではラストクリック用のバナーに加えて、視認効果の高いバナーや動画の制作も進めています。

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最も大きなメリットは、マーケティングの事業直結化

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fluct magazine編集部(フラクトマガジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2016/05/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24348

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