グローバル企業として、共通のニーズと違いを踏まえた動画戦略に取り組む
Viibar:今後の動画マーケティング全体の戦略を教えていただけますか。
ローランド:まずは、今後動画コンテンツを更に拡充したいという考えは多分にあります。ユーザーさんから求められている様々な要望の中には、動画を用意すれば解決できるものも多々あるんです。
乱暴に言ってしまうと、取扱説明書も動画で3分~4分のコンテンツに仕上がれば、ずっとお客さまの頭の入っていきやすいのではないか、とも思っています。取扱説明書を全く読まないお客様もすごく沢山いらっしゃいますので。そういった背景もあるので、マーケティングにおける動画コンテンツの比重は、毎年確実に上がっていると思います。
もう一点は、グローバルでの動画戦略です。特に海外のローランドでは、既に動画施策への注目がすごく高くいんです。例えばグローバルでは新しい製品を発表するタイミングに、新製品の基本的な利用方法等のその製品についてお客さまが知りたい内容をまとめた「クイックスタートビデオ」を用意する事がスタンダードになっています。
そういった動画を、今まではアメリカはアメリカ、日本は日本、イギリスはイギリスで別々に動画を作っていました。アメリカはユニークな動画を作りますし、日本はどちらかというと真面目で、四角四面な内容が多い。それぞれの個性があります。
ただ、今後は会社の方針として出来るだけ動画をグローバルで統一する方向性になっています。理由は色々あるのですが、一つはダブルワークを減らすことです。一つの製品に対して別の動画を用意すると、その分だけコストが増えるので、統一することで効率化しようとしています。
ですので今後は、各動画をグローバルで作るべきなのか、逆に日本で作るべきものなのか、事前にしっかり戦略を立てていかなければなりません。
バラバラに作るのではなく、全体のマーケティング戦略とカスタマージャーニーを踏まえた上で、例えば商品購入前と購入後に、お客さまがどういった情報を必要としているのか、またそのニーズは全世界共通のものなのか、などの要素を考える必要があります。
もちろん、日本で作るべきものを日本で作って、これをグローバル展開するということも提案していくつもりです。今回のエイトビートの動画は喋りが日本語なのでグローバル展開はできないですが、今後を見据えていくと、グローバル展開が出来るフォーマットや、クリエイティブの方向性のテンプレートみたいなものを模索していく必要があると思っています。
ただ、その中でも絶対にこれは日本らしい表現が必要だ、という事もありますから、そういった要素を入れていくことにも使命感を感じています。
Viibar:グローバル企業の動画戦略、大変貴重なお話でした。この度はありがとうございました!