ダウンロード促進で行う3つの施策

MZ:ここからは、どのようなマーケティング活動の結果、2,200万ダウンロードに達したのかを探りたいと思います。まず、現在注力している施策について教えてください。
岡本:主に3つの施策を展開しています。1つ目はソーシャルメディア(以下、SNS)と呼ばれる媒体に対しての広告出稿です。Simejiはこれまで人の口コミや評判で広まってきました。たとえば、友達の使っている顔文字が面白いからダウンロードしたといったことが1つのパターンですね。SNSでも同様のことが起きているため、広告出稿することで新規ユーザーへのアプローチはもちろん、既存ユーザーにシェアしてもらい、話題化を狙っています。
2つ目は動画の積極的な活用です。動画を積極的に活用する理由としては、動画広告が主要な配信チャネルに成長したこと、Simejiの特性に合っているということがあります。前者に関しては、動画広告枠の在庫が増加し、最近ではSNSでも配信でき、かつフォーマットも柔軟になりました。くわえて効果計測に関する機能も充実したことで、ROIが図れるようになったことも大きいです。
後者は、Simejiは様々な機能を搭載しています。そのため、動画というリッチなコンテンツで訴求した方が理解が深まると考え、現在注力しています。
MZ:動画の方が伝えられる情報量が増えるということですね。3つ目は何ですか。
岡本:3つ目は、キャラクターや著名人とのコラボタイアップですね。ソーシャルリスニングを定期的に行うのですが、3割くらいがきせかえ機能に関する投稿で、キャラクターや有名人の画像などに変更したといった内容が多いんです。そこでタイアップ限定の着せかえが手に入るキャンペーンを仕掛けることで、ダウンロード数、アプリのリテンション率を伸ばしています。
短期間のスポットCMを動画広告で補完
MZ:貴社では最近テレビCMの出稿も行ったとのことですが、どういったキャンペーンを行ったのですか。
岡本:テレビCMでは20代の女性をターゲットにしたクリエイティブにするため、モデル、女優として人気の高い山本美月さんを起用しました。くわえて、Twitter広告を中心とした動画広告を併用することで、広告認知を高めるようにしました。
MZ:テレビCMとTwitter広告の併用で意識されたことはありますか。
岡本:特にTwitter広告の運用には気を配りましたね。特定のアカウントをフォローしているユーザーの嗜好性を分析し、その層に近いと思われるユーザーに向けて広告配信できるハンドルターゲティングで、CMに起用したモデルさんに関連したアカウントをフォローしている方にアプローチしました。
また、長尺動画も広告素材として使用する際には、15秒動画に一度エンゲージ(=反応)した人に対して長尺動画を配信するなどの手法も使い、広告配信を行いました。
MZ:長尺動画を別途用意したのはなぜですか。
岡本:このあたりは広告会社のクリエイティブチームの方々のアドバイス・ご提案をもとに、動画に様々なネタを仕込みました。例えば、CMソングの歌手が実は有名な方だったり、歌詞も女性の恋愛に関するあるあるになっていたりと、多くの隠し要素を詰め込んでおき、それらの情報はあえてCM発表会の時にはその情報を出しませんでした。
その後、しばらく経ってCM認知がある程度高まったところで長尺動画を出し、同時にプレスリリースでその隠し要素を発表することで、改めて別の切り口で話題化されることを狙いました。
MZ:あえて秘密を作って後出しにすることが効果につながったんですね。ちなみにどのくらいのダウンロード数の増加につながりましたか。
岡本:出稿期間中のデイリーのダウンロード数は2.2倍になりました。くわえて、出稿後もデイリーのダウンロード数が2、3%アップしています。ソーシャル上でのポジティブな反応も多く、初めての施策としては上々の結果だったと思います。