求められる快適な操作性
MZ:キーボードアプリは特にユーザビリティの配慮が重要になるかと思いますが、どういった点を意識していますか。
矢野:おっしゃる通り、キーボードの機能向上はとても重要です。常にリテンションレートを見ながらデザインの細かい変更を行っています。特にバグ、アプリの反応速度に関する対応は、ユーザーの心地よい体験には必須ですね。
MZ:具体的には、どういった対応を行っていますか。
矢野:3月にアンドロイド版のUIを変更しました。今までのコアユーザーはデジタルのリテラシーが高く、カスタマイズ性に興味を持っていただいてたのです。しかし、ユーザーの裾野が広がったことをうけ、シンプルかつ操作性を重要視したデザインに変更しました。その結果、1日のリテンションが10%くらい向上したので、新しいユーザーにも受け入れられるサービスになりつつあると感じています。
新たなマネタイズ&面白い変換候補を追い求めて
MZ:最後に今後の展望をそれぞれ教えてください。
岡本:私は目標と、挑戦したい施策があります。まず目標ですが、高齢層をはじめとした、より広い層にSimejiを使っていただくことです。たとえば、おじいちゃんが孫の写真をキーボードの背景に設定するようになる、スタンプとか絵文字かも使ってもらえる、そんなサービスになっていけるよう、多くの方とコミュニケーションを取っていければと考えています。
挑戦したい施策に関しては、O2OプロモーションにSimejiを活用したいと考えています。キーボード自体のフリークエンシーは高く、実店舗内でも商品について調べる時など使う機会は多い。そこで、特定のきせかえをお店で見せると安くなるといったプロモーションを小売業の企業と行いたいですね。そうすることで新たなマネタイズの形ができるので。

MZ:矢野さんはいかがですか。
矢野:先ほど申し上げたようなキーボードとしての機能を担保しながら、変換のおもしろさみたいなところは今後も磨いていきたいです。現在は、開発チームが上手く機能しているので、個性を活かした変換候補をどんどん追加していきます。
ユーザーの声を聞くと、Simejiの変換候補は偏っていると言われることが多いんです。弊社としても、個人の裁量に任せているからか、正直否定できないところがあります(笑)。しかし、それをSimejiの面白さ、個性として捉えてもらえるよう、引き続き面白い変換というものを追い求めていきたいですね。