スマートフォンの浸透で変わるメール
メールは開封率が10%程度しかないが、優良なユーザーが多くCVRが高いのでメールはやめるべきではない。LINEやFacebookなどのSNSの役割、アプリとの棲み分けを考え効果的に活用する事が重要と前回お伝えしました。ではモバイルが主流になっている今、メールはどのように活用していくべきでしょうか。
まず、メールがどのように活用されているのか、簡単な数字を見てみましょう。各年代、性別ごとに100名のサンプルで調査した結果、どの年代でも2つ以上のメールアドレスを保有しており、男性の方が保有しているアドレスが多いことがわかりました。
では、どのようにメールはみられているのでしょうか。こちらも同様に調査を行ったところ、下記の結果となりました。
20代女性は80%以上がスマートフォン(以下、スマホ)で開くと答え、40代前半までは半数以上がスマホで開きます。常に手元にあるスマホでメールが開かれるという事は、開封する頻度が増えた一方で迷惑と感じる事も増え、無視や退会のリスクが増加したともいえます。
モバイルで見られるメールを考える
ここで一つ事例を上げましょう。ある企業のCRMチームにおけるKPIはメール会員数の維持です。昨年ぐらいからメールを配信した際の退会率が上がってきたため、メール運用の方針について販促チームと話した結果、2つの選択肢が提示されました。
CRMチーム案:出来るだけ退会しないように情報と頻度を減らそう。
販促チーム案:退会するユーザーはどうせ見ない、メールのCVRは良いので退会率は気にせず送り続けよう。
業種や状況によって変わってくると思いますが、私はどちらの選択肢も基本的には選びません。この場合、まずは視点を変えるべきです。退会率が上がった背景として考えられる要因の一つは、顧客がスマホでメールを見る機会が増えたこと。これによって、自分にとって価値のないメールが邪魔になり解約しようとする行動が増えたからでしょう。