若者の9割が利用という高い普及率と利用率を誇るLINE。企業にとっても無視できないコミュニケーション手段となりつつある。LINEも広告を重要な成長の柱と位置づけており、サービスを強化している。企業はLINEでどのようなことができるのか――7月26日に福岡で開催された「MarkeZine Day 2016 FUKUOKA」で、LINEの上級執行役員コーポレートビジネス担当を務める田端信太郎氏が同社の広告事業の取り組みについて紹介した。
消費者の「テレビよりもスマホ」のシフトについていけるか
田端氏はまず、マーケティングの主戦場が変わりつつある現状から説明した。多くの企業で宣伝・マーケティングはいまだにテレビが中心。だが「中高年の男性以外は、スマートフォン(以下、スマホ)中心になった」と田端氏は指摘する。10代から20代の女性、30代の男性などを中心に、テレビよりもスマホに長い時間を費やす人が増えているという。
主戦場がスマホに移ったことは、単にPCからスマホに移行する以上の「文脈的な変化も伴う」と田端氏。PCで中心的な役割を果たしたのはWebブラウザだが、スマホの中心はアプリだ。平均的なユーザーは1日2時間弱をスマホに費やすが、そのうちの72%がアプリであるというニールセンの調査を引用しながら、「これまでデジタルマーケティングの重要な課題だったSEO(検索エンジン最適化)は、スマホの登場により重要性が下がっている」と田端氏は述べる。
「スマホへの移行は画面が小さくなっただけではない。音楽がレコードからCD、そしてiTunesで曲単位の配信になったように、メディアの伝え方の変化とコンテンツの変化が一緒に起こる」と田端氏は変化を形容する。
だからといって、単にアプリを作ればよいわけではない。ニールセンの調査によれば、ユーザーが日常的に利用するアプリの数は9個にとどまっており、「大企業が提供するアプリといえども、よく使われるアプリになるのは絶望的」と田端氏。「スマホ時代に対応しようとアプリを出したところで、出す側の自己満足で終わる可能性も十分にありえる」と企業のスマホマーケティングの現状を表現した。

(http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/10/Newsrelease20141001.html)
LINEの開封率はメールを大きく上回る
アプリだけではない。田端氏はもう一つ、よくみられる誤認識として電子メールを挙げ、「企業から送られる電子メールの開封率は10%、つまり90%は開封すらされていない」と語る。さらに、電子メールアドレスを持たない若者も出てきており、「デジタルマーケティングの基本」と思われてきたメールアドレス収集の有効性に疑問を投げた。
そこで田端氏は自社のコミュニケーションアプリ「LINE」を新たな手段として提案した。国内の6,800万人以上が登録している同アプリは、全体に占めるデイリーアクティブユーザーの比率は7割。10代、20代では9割を超えていると言われる。「毎日当たり前のように使うインフラ」と田端氏は胸を張る。
またLINEの面白いところは、どの地域でも多くのユーザーが利用している点だ。Facebook、Twitterは比較的、大都市にユーザー数が偏っているのに対し、LINEのユーザー分布は日本の人口分布とほぼ等しいと田端氏はいう。これが「インフラ」とする所以だ。

消費者の間では、コミュニケーションツールとして当たり前になっているLINEを、企業も活用しようという動きが出てきている。手始めとなるのが企業のLINE公式アカウントで、ユーザーに送ったメッセージの既読は過半数に達しているとのこと。「クーポンを利用した」「サイトを訪問した」というユーザーも2割を超えているという。企業・ブランドから情報を受け取る手段として利用するサービスを一般消費者に聞いたところ、LINEは堂々のトップに輝いた。田端氏は「企業が消費者とコミュニケーションをするという点でもLINEは浸透しつつある」と語る。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- MarkeZine Day 2016 FUKUOKA レポート連載記事一覧
-
- ニューバランス、試行錯誤で導き出した動画マーケティングの解とは
- CRMからカスタマーサポート、運用型広告まで可能に~LINEが目指す広告コミュニケーション...
- この記事の著者
-
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
