本記事の概要
1.スマートフォンユーザーに大量リーチできる、ニュース配信サービス「mitayo.」の魅力を取材
2.「PRに足りなかったリーチをアドテクで拡大させる」目的から、ジーニー社と共同開発に至ったという
3.「デジタルでブランディングを行いたい」と試行錯誤されている企業の、課題解決になりえるサービス
認知心理学的にも有効な3センテンスフォーマット
――2016年8月にトレンダーズさんはニュース配信サービス「mitayo.」をリリースされましたね。その背景・狙いは何でしょうか。
弊社がPR事業を展開する中で、「スマートフォンの小さな画面でも商品情報を適切に届けつつ、消費者のエンゲージメントを高めたい、さらにいえば、リーチもできるだけ広げたい」というクライアントからの要望が増えていました。
消費者はスマートフォンで情報収集をするとき、その情報が自分にとって必要かどうか、一瞬で判断します。既存のバナー広告では、あまりにも情報が少なすぎる。このジレンマを解決するプロダクトを作ろうと「mitayo.」の開発がスタートしました。
――今のスマートフォンユーザーの情報接触に即した情報発信の形があるはずだということですね。
そうです。弊社がこれまで最も多く携わってきたのは「タイアップ記事」で、クライアントの情報を文章で表現してきました。しかし、その形式だけでは、スマートフォンユーザーに最後まで読んでもらえない懸念もありました。
そこで今回の「mitayo.」では、画像に加え、3センテンスに情報を集約したテキスト文を用意し、全文を読まない人にも適切にリーチできるフォーマットを作成しました。
認知心理学では瞬間的に記憶できる情報の塊は3つまでといわれています。また、調査を行ったところ、バナー閲覧者に比べても弊社のフォーマットの方が話題に感じる方が多いという結果が出ており、3センテンスフォーマットが情報発信には効果的と考え採用に至りました。
――主に活用のケースとして考えられるものはありますか。
作成したタイアップ記事への誘導に使うケースが多くなると思います。タイアップ記事は顧客との関係構築には有効であることがわかっていたのですが、リーチは3万から10万PV程度にとどまっていました。一方、「mitayo.」を利用すると、提携メディアに掲載することで10万から100万PV規模のリーチが見込めるため、より多くの方に記事を読んでいただけます。
PRに足りなかったリーチをアドテクで拡大
――「mitayo.」はジーニーさんと提携した取り組みとお伺いしているのですが、同社をパートナーに選ばれた理由を教えてください。
先述しましたが、弊社はリーチの規模に課題を感じていました。そこでSSPを提供し多くのパブリッシャーと連携しているジーニーさんと提携することで、リーチの拡大を実現できるシステムを作っていけると考えたからです。
――なるほど。互いの強みを組み合わせて相乗効果を狙っていると。
そうですね。弊社が配信フォーマットを考えて、ジーニーさんが連携しているメディアに掲載するシステムを開発するという役割分担になっているのですが、ジーニーさんのSSPのリソースを使わせていただくことで、お客様に提供する際のリーチ単価を低く抑えることができました。
ターゲットに合わせたメディア選定が可能に
――「mitayo.」は3センテンスのフォーマットが最大の特徴かと思いますが、3センテンスに情報を集約する利点をもう少し詳しく教えていただけますか?
昨今、インフィード広告を活用したタイアップ記事への誘導が増えていると思います。ただ、インフィード広告も「タイトルだけ」「画像だけ」と、これまでのバナー広告同様伝えられる情報が少なく、内容を理解するまでにはいきません。
しかし「3センテンス+画像」という「mitayo.」のフォーマットであれば、初めて情報に触れた人でも、一瞬で概要を理解した上でクリックすることができます。そのためクライアントは、情報を認知させつつ、エンゲージメントを高めることができます。
――「mitayo.」はどういったメディアに配信されるのですか?
配信メディアは今後も随時追加していきますが、認知度が高く、読者の属性が見えやすい約30のメディアと現在提携しています。
また、配信の際にターゲットによってメディアを選定することができるのも特徴です。「女性一般」「女性若年層」「男性」「マス・ポータル」「Buzz・その他」の5つに提携メディアをカテゴリ分けしているため、その中から自社の商品やサービスにあったカテゴリを選択して配信することもできます。
嫌がられない全画面広告を目指す
――しかしながら「3センテンス+画像」をスマートフォン上に表示するとなると、スペースが必要になると思うのですが、どのように表示されるのですか。
記事を読んだ後のユーザーに対して、「mitayo.」が制作した3センテンスのニュースを表示する仕様になっています。通常、記事を最後まで読むと、よく関連記事などがレコメンドされると思いますが、ちょうどそのタイミングですね。
ユーザーが記事を読むという目的を達成した後に生じる「次は何を読もうかな?」という心理になるとき、いわば“ウザくない”タイミングにこだわりました。
通常、全画面広告というのはユーザーに嫌悪感を与えてしまいがちなのですが、メディアの方にお話を伺っても「mitayo.」によって離脱が増えたという現象は起きていないようなので、安心しています。
――「mitayo.」で配信されたコンテンツから記事本文へはどのくらいの割合で誘導できているのですか。
トライアルの掲載結果から、今のところ6%前後を想定しています。3センテンスでできるだけ多くのユーザーを惹きつけられるよう、弊社専属のライターが編集しています。ですので、ユーザーの目から見ると広告というよりもメディアからのおすすめ情報のような印象を受けるのかなと。よりポジティブな印象を与えていけるよう、これからも知見を溜めていきたいところではあります。
Webブランディングで45.7%の購入意向を獲得
――効果の高かった事例はありますか?
サービスリリース前に、ハインツ日本株式会社が発売した新商品「トマトケチャップ 逆さボトル250g」の商品特徴を訴求したコンテンツ配信を行いました。その結果、30万PVの露出を達成したという事例があります。
またこの記事に接触したユーザーに事後アンケートを行ったところ、45.7%が商品の購入意向を示し、記事に接触していないユーザーに比べて19.8%上回る結果となりました。
――「mitayo.」の3センテンスフォーマットのコンテンツを見ただけで、その成果が得られたということですか?
そうです。長文のタイアップ記事ではなく、3センテンスフォーマットを見ただけで、これだけの違いが出たということです。3センテンスだけでも想像以上に内容を理解していただけることが明らかになりました。
――認知施策の一つとして有効活用できそうと感じさせてくれる事例ですね。
認知施策としては今もテレビCM(以下、CM)が強力ですが、一方でCMが届かない若年層も増えていると聞きます。我々としては、そうしたCMの補完役としても「mitayo.」は活用していただけるのではないかと思っています。広告の接触頻度が多ければ多いほど、店頭で実際に商品を見たときに想起しやすくなりますし、購入に至る確度も高まっていきますので。こうした認知拡大やエンゲージメント向上を効率よく行えるWebの施策はこれまであまりなかったのではないでしょうか。
デジタル上の認知拡大の新たな選択肢に
――「mitayo.」を今後どういった企業に利用してもらいたいですか。
「mitayo.」はタイアップ記事の持つ商品・サービスを理解させる力とバナー広告の持つ広範なリーチ力を持ち合わせています。そのため、ユーザーの認知を取りつつ、接触したユーザーのエンゲージメントを高めたいといったニーズをお持ちの企業に使っていただきたいです。
特に、キャンペーン実施時や新商品の発表時など、プレスリリースを出すようなタイミングに認知拡大をブーストさせる施策としてご利用いただければと思います。
――昨今、「デジタルでブランディングを行いたい」と試行錯誤されている企業が増えていると思うので、ニーズはありそうです。
現状、そのニーズに応えられるサービスはあまりないと思っていて、リーチを取るためにバナー広告やインフィード広告、動画広告を手広く出稿するといった状況が続いていると思います。弊社としては、そこに「mitayo.」という選択肢を増やしていきたいと考えています。
ユーザーにとってどういったフォーマットが情報収集に最適なのか、ジーニーさんとともに模索し改善していきながら、最終的にはジーニーさんのマーケティングオートメーションツールからの配信を可能にするなどサービスを進化させていきたいです。
今回ご紹介した「mitayo.」で実際に配信されているニュースを見たい方はこちら