通常制作する10分の1の尺でゲームの魅力伝える
ここからは実際の取り組みを紹介する。動画コンテンツに関しては「ファミ通App」の編集部が企画し、制作も自社で行う。プレロールで流す動画広告はゲームメーカーが用意し、広告で流れるゲームのレビューを行うという内容になっている。

通常、『ファミ通App』にアップロードされている動画は20分から30分程度。しかし、Twitter上のタイムライン上に掲載されるAmplifyでその尺の動画を流しても確実に途中で離脱されてしまう。そこで田中氏は、Amplifyのための新しい動画素材の撮影に踏み切った。
「Amplifyで掲載する動画は3分の尺に収めています。これまで掲載していた動画の10分の1に近い短さなので、ゲームの1番良いポイントを編集部と相談し、その中から必要なものを選定します。その後、ゲームメーカー様とユーザー様に伝えたい内容を協議し、複数本一気に撮影します」(田中氏)
今回の動画、これまでのAmplifyの事例と違う点がある。それは動画とプレロールで流れる広告の関連性が圧倒的に高い点だ。たとえば、サッカーの試合のハイライト動画であればプレロールで出稿している広告主の看板がハイライト動画に出てきたり、ドラマのワンシーンの中で使われている商品の動画広告をプレロールで流したりといったケースが多かった。
だが、ファミ通が制作した動画の場合、プレロールで流れているゲームアプリのレビューを実際に制作しているメーカー担当者や編集部が行う。広告で流れている動画とコンテンツの内容に親和性が非常に高いものとなっているのだ。
「ゲームメーカー様が命をかけて作ったゲームの良さを、弊社の編集部が本気で攻略して、ユーザー目線で面白いものを見つけ出し、それをAmplify専用の動画として制作します。ここまで熱量とゲームへの愛がこもったコンテンツはなかなかないと思います」(田中氏)
高エンゲージメントな動画で各KPIを達成
関連性が高い動画を配信したとのことだが、実際の効果はどうだったのだろうか。中尾氏によれば、通常ゲームメーカーが出稿する広告に比べ、各KPIに対する効果が高かったという。
「プロモーション用の動画素材に加えて、ゲームの本当に面白いポイントを凝縮した動画を見てもらうことで、とてもエンゲージメントの高い動画になりました。その結果、動画の閲覧数やCVR、CPIも通常の広告に比べて高かったとクライアントから聞いています」(中尾氏)
高田氏によれば、Twitter上でのターゲティングも大きく効果に影響しているという。
「広告代理店様による運用はもちろん、角川アスキー総研様側で用意したターゲティング案とゲームメーカー側のターゲティング案を組み合わせて配信をコントロールしたことで大きな効果が生まれたと思います」(高田氏)

コンテンツ・パートナーシップ&アンプリファイ事業責任者
高田仁一郎氏
この効果の高さから、Amplifyを活用する広告メニューが同媒体では人気になっており、年間契約や半年契約など長期での施策を行うクライアントも出てきた。