日本ならではの動画広告事例を作りたい
2014年から提供が始まった、Twitterの動画広告メニュー「Amplify」。スポーツの決定的瞬間のハイライトやドラマのワンシーンを切り取り、その動画の前後に広告を入れるというもの。ユーザーの閲覧率も高く、広告に対するエンゲージメントも高い注目の動画フォーマットだ(関連記事はこちら)。
しかし、Twitterで同広告の事業責任者を務める高田氏は、「Amplifyに日本ならではの事例を作りたい」と考えていた。
「日本には、ゲームやアニメ、アイドルなど文化的なコンテンツが多く存在します。これらのコンテンツとAmplifyを活用できないか、ずっと考えてきました」(高田氏)
この高田氏の思いに対し、応えたのは角川アスキー総合研究所(以下、角川アスキー総研)の中尾文宏氏だった。同社では、カドカワグループのデジタルシフトを推進すべく、研究開発を通じて新たなコンテンツやサービスを生み出している。Twitterともツイートのデータを用いてトレンドを視覚化する解析技術の開発・提供を行っている。
そして、中尾氏は日本ならではの事例を作るため、同グループでゲーム総合情報メディア『ファミ通』の広告営業を行うカドカワの田中翔一朗氏を協力者に選んだ。
こうして、新たなAmplifyの活用法を考える3者の活動が始まったのだった。
ファミ通×Twitterであるべき理由
しかしなぜ、カドカワグループでは様々なコンテンツを出しているにも関わらず、『ファミ通』なのだろうか。中尾氏によれば、その理由は「Twitterとの相性の良さ」にあるという。
「Twitter上には、ゲームに関するツイートが多く相性がいいことが、既にご紹介したトレンド視覚化技術を活用した結果わかっていました。今回高田さんからAmplify活用の話を頂いたときに、ゲームが一番マッチすると思いましたね」(中尾氏)
また、『ファミ通』側でもAmplifyのような広告に対するニーズがあったという。同メディアでは、紙媒体をはじめ、5年前からはゲームアプリ情報を掲載したWebメディア『ファミ通App』を運営し、様々な広告メニューを用意している。最近では動画コンテンツを制作して同メディア上に配信するという取り組みがゲームメーカーから好評だった。
しかし、田中氏はこの動画コンテンツに「もっと広がりを持たせたいと思っていた」と語る。
「弊社メディア内での配信のみだとリーチに限界があります。Twitterとゲームユーザーの相性の良さは理解していたのですが、有効活用できそうなメニューがなかった。そこでAmplifyの仕組み、そして弊社アカウントのフォロワー以外のTwitterユーザーに対し、タイムライン上に動画を配信できることにメリットを感じ、今回の取り組みに参加しました」(田中氏)