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博報堂アイ・スタジオが語る、AI×クリエイティブ発想で生み出す新体験とは

AI×クリエイティブが創出する価値とは

 では、AIとクリエイティブを掛け合わせた取り組みとして、今後どういった価値、可能性が生まれるのだろうか。佐々木氏は、様々な社会課題の解決に繋がると示唆した。

 「例えば、言語コミュニケーションをAIで実現できると高齢者の孤独死の問題が解決するかもしれませんし、その他にも社会課題を解決するような取り組みを、今までなかった全く新しい領域で生み出せるようになると思います」(佐々木氏)

 北島氏は、データの中から法則性を見つけてどう制御するか考えていたこれまでと違い、今の人工知能では、人間が制御やロジックに関わることなく、データからその特徴量を引き出せることを指摘する。

 「今後は概念や感覚、直感のようなものがデータから導き出せると考えています。当然、これまでと違う、新しいアウトプットを生み出せるようになり、それを活かしたクリエイティブを創出できると思っています」(北島氏)

今までになかったものを自由に発想、制作

 ここからは、博報堂アイ・スタジオがAI研究の中で実際に行ってきた研究成果を三つ紹介する。

 一つ目は顔写真を大量に収集し、そのデータを元に人間らしきビジュアルを生成し、それを音楽に合わせて流すという事例。あえて、人間のようで人間でないものを生み出しアート作品らしさを出している。

 二つ目は人工知能ラッパー。単語を一つ入力すると、何万もの歌詞データから、その単語が埋もれている歌詞を抽出し、韻を踏んだ歌詞を自動生成する。まるで人間のラッパーがフリースタイルでラップを行っているかのように即興でラップできるものを目指したものだ。

 三つ目は「PLUS ANIMA(プラス アニマ)」というプロトタイプだ。テーブルの上に置いたモノが何であるかをディープラーニングによる画像ベースの物体認識で解析し、モノに魂が宿ったかのようにパーソナリティを持たせた演出を施すことで、人とモノとのコミュニケーションを可能にする。

 「三つの事例に共通しているのは、これまでになかった、実装できなかった発想を、人工知能が実現してくれるという点です。三つ目の事例でいえば、従来の写真やテキストでモノを説明するコミュニケーションから、モノ自体が声で伝えるという発想の新しいコミュニケーションを実現することができます」(佐々木氏)

 同社では、これらの取り組みで生まれた成果をクライアントにどう提供するか模索し続けている。くわえて、SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)をはじめとしたカンファレンスにも出展し研究成果を発表することで、反応を見て、広告新商品開発室という組織を介してクライアントへの横展開などを随時実践している。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/09/30 12:00 https://markezine.jp/article/detail/25149

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