ミレニアル世代を中心に、ゲームを軸にしたマーケティングを
セガゲームス セガネットワークス カンパニー(以下、セガネットワークス)とランサーズが2016年8月に合弁会社クロシードデジタルを立ち上げた。その目的は、マーケティングにおけるゲーミフィケーションの活用と普及だ。
具体的にはマーケティング支援のみならず、セガネットワークスのマーケティング支援ツール「Noah Pass」による送客サービスや、データを活用したビジネスマッチング、クリエイティブを含めた制作支援など広範囲にサポートする。
「MarkeZine Day 2016 Autumn」では、「スマートフォンゲームの企業デジタルマーケティング活用事例」と題して、クロシードデジタルが、スマートフォンゲームを活用して異業種であるナショナルクライアントのマーケティング支援をどのように行っていくのか、具体的な紹介がなされた。
はたして現在、実際にこのようなマーケティング手法に対して市場のニーズは高まっているのか。まずランサーズから事業開発部 部長の幸村氏が登壇。状況を「当社が提供するクラウドソーシングのプラットフォームを見ると、コンテンツマーケティングの市場拡大にともない、デジタルマーケティングの支援事業に対するニーズも高まってきました」と説明する。
同社でもこの動きを鑑み、コンテンツの制作のみならず、コンテンツの企画・設計や効果測定などを行ったり、コンテンツの制作と改善ができるマーケティングシステムを自社開発したり、デジタルマーケティングに関する提供サービスを拡張しつつある。その延長線上に、今回の合弁会社設立があるという。
では、どのようなターゲット・どのような施策が想定されているのか。幸村氏は「ミレニアル世代」をメインターゲットとしていると語る。「この世代を制すものがデジタルマーケティングを制すといえるほどに、ポテンシャルの高さを感じています」(幸村氏)
そもそもミレニアル世代とは誰なのか
「ミレニアル世代」とは、誰のことだろうか。諸説あるものの、同セッションでは1980〜2000年に生まれた世代と定義する。実際の年齢では17〜36歳ほど、「generation Y」と表現されることもある。現在、世界中でミレニアル世代の消費者は約20億人いるとされており、アメリカにおいては総人口の30%を占める。
2020年までに、この世代の市場規模が1兆ドルを超えるといわれており、最も巨大で、重要なセグメントとして認識されている。今後、政治も、経済も彼らをターゲットとして意思決定がなされていく、そんな時代になっていくのは間違いないだろう。
一方で、ミレニアル世代はこれまでの世代と考え方や行動パターンなどが大きく異なっているといわれている。たとえば「リーマンショック後」や「失われた20年」といった経済が低成長の時代に生まれ育ち、そんな不景気を一人では乗り切れないという思いからか、仲間同士の連帯感を大切にする価値観を持つ。
さらに、ネットの常時接続が完了した後に生まれ育ったことから、デジタルのリテラシーが圧倒的に高い。いわゆる「デジタルネイティブ」として、ネットを駆使して豊富な情報、多様な選択肢を持てるようになったというわけだ。彼らの親世代と比べても、大きく異なる環境で生まれ育った世代といえるだろう。
この価値観や行動パターンの違いは、既に様々な企業活動にも影響が出てきている。たとえば、採用活動や組織マネジメントの中で「ミレニアル世代の社員をいかにマネジメントするか」が大きなテーマとして語られている。もちろんHR領域だけでなく、マーケティングの領域でも「ミレニアル世代の支持をいかに得るか」は大きな課題となっている。