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MarkeZine Day 2016 Autumn レポート

良品計画、スターバックス、丸亀製麺が語る、競争を勝ち抜くためのアプリ活用法

アプリを運用する以外に、やっておくべきこととは

道上:では、ここからディスカッションを始めたいと思います。まず、アプリ活用において苦労した点について、村上さんからお願いします。

村上:実は、丸亀製麺は各店舗にレジを1つしか用意していないので、アプリのオペレーションに戸惑うと回転率が一気に悪くなります。これを避けるため、先述したようにレシートのQRコードをお客様自身が会計後にアプリで読み込んでいただくようにしています。そうすることで、店舗に負荷をかけず、購買情報と属性情報を集めることができます。

道上:やはり、アプリ内の機能は店舗を考慮して考えるんですね。

村上:アプリで顧客データを取ることが売上につながるかわからない中で、店舗に負荷のかかる機能だと、現場のスタッフがアプリに対して嫌悪感を抱いてしまいますからね。

道上:川名さんはいかがですか。

川名:例えば会員証のバーコードが表示されないといったトラブルが起きると、店舗側にも多大な迷惑が及ぶようになったことでしょうか。これまで、ECのトラブルであれば、自分の部署だけで完結できていたのですが、アプリの場合は他部署への影響が大きくなってきます。

 また、村上さんと同様に店舗内のオペレーションを整備することも大変です。例えば、会員画面をバーコードで読み取る際、バーコードの下に数字も出しておくことで、読み取れない場合は店舗スタッフに手打ちで対応してもらうといったフローを考えないといけませんからね。

道上:長見さんは、元からあったサービスをアプリへ横展開されていますが、店舗との連携に関する苦労はなかったですか。

長見:スターバックス カードは2002年からはじまったサービスで、長い歴史のなかで安定稼動のノウハウができているので、アプリが始まっても大きな変化はなかったと思います。

効率的な集客と、より良い体験をユーザーへ提供

道上:アプリ活用の苦労がわかったところで、次のテーマに移りたいと思います。3社ともに、搭載しているアプリの機能が違うと思いますが、どういった役割を期待しているのでしょうか。長見さんから教えてください。

長見:提供するサービスに役割があるので、アプリ独自での役割というのはないですね。例えば、スターバックス カードは利用者がより決済をしやすくなるよう提供を開始しました。デザインの良さから普及も進み、既存のカードでも役割を果たせていました。ただ、デジタルで決済できたほうがいいというお客様も当然いますので、そういった方のためにアプリの提供を開始しました。

道上:村上さんはいかがでしょうか。

村上:当初の目的は集客でしたが、最近では商品理解をしてもらう役割も担い始めています。アプリからWebも見ていただいていますが、WebのPVがアプリ導入後に約2倍になっています。

道上:川名さんにお伺いしますが、 MUJIパスポートはどういった役割を担っていますか。

川名:集客や売上アップはもちろん大事ですが、“お客様にとってより良い体験をしてもらう”という重要な役割を担っています。在庫を調べ、お店に行って会員証を提示し、購入後にレビューを書く、これらの行動全てにアプリが使われます。つまり、アプリが正しく運用できているかいないかで、無印良品の認知から購買、その後の体験までもが大きく変わってしまうわけです。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25454

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