スマートフォン(以下、スマホ)からの動画共有サービス利用者が増えている。「プリキャンティーンズラボ」が以前実施した調査においても、10代女子の半数近くが毎日欠かさず動画を視聴しており、そのほとんどがスマホ経由であることが明らかになっている。
こうしたスマホ経由の動画視聴の拡大に伴い、モバイルデータ通信(パケット通信)の利用量も増大しているのが現状だ。また、通信キャリアでは、月に20GB以上の大容量のデータ通信ができる定額プランを割安で提供していることから、今後もさらにトラフィックが増加していくことが予想される。
そこで今回、10代女子におけるスマホのモバイル通信の利用実態を探り、通信速度制限にどのように対応しているのかを明らかにするべく調査を行った。
●回答者属性
回答者の年齢は、13~16歳がボリュームゾーンで、中高生で約90%を占めている。また、所有しているスマホのOSは「iOS(55.0%)」が「Android(34.4%)」を上回った。通信キャリアは「docomo(36.9%)」が最多で、続いて「au(28.0%)」、「SoftBank(16.9%)」という順。
10代女子の4人に1人、スマホを1日5時間以上利用
スマホを所有している10代女子に「1日のスマホの利用時間」について聞いたところ、「1時間以上3時間未満(33.5%)」が最も多かった。また、「3時間以上」の回答を合計すると53.5%と、10代女子の約半数が1日に3時間以上スマホを利用していることがわかった。さらに、「5時間以上」のヘビーユーザーは25.1%とおよそ4人に1人が該当し、1日のかなりの時間をスマホの利用に費やしている10代女子も相当数存在するようだ。
続いて「現在契約しているパケット通信プラン」について尋ねたところ、「わからない・覚えていない」という回答が38.7%と突出する結果となった。10代女子の多くが保護者主体でスマホを契約しているため、自身は通信プランをあまり把握していないことがうかがえる。
約半数が通信速度を制限された経験アリ
スマホを所有している10代女子に「通信速度が制限された経験(頻度)」を聞いたところ、52.3%に経験があることがわかった。通信制限がかかる「頻度」については、「ほとんど毎月(23.8%)」、「2~3ヶ月に1度程度(16.9%)」が多い。
さらに、通信速度を制限された経験がある女子に「通信速度を制限されたタイミング」を尋ねたところ、「月末(52.0%)」が最も多かったものの、一方で「月初(6.1%)」「月中(21.8%)」も合わせて3割近くに上ることがわかった。
制限時は動画サービスの利用を控える
通信速度を制限された経験がある10代女子に、「通信速度制限下(低速モード)での対策」を質問したところ、「Wi-Fi環境下でスマホを使用する(61.5%)」、「特に何もしない・我慢する(42.2%)」という回答が多く、「追加でパケットを購入する(5.4%)」女子は少数に留まった。
また、「通信速度制限下で利用を控えるサービス」を聞いたところ、「YouTubeなど動画サービス(69.4%)」という回答が約7割に上ったほか、「インターネット閲覧(34.6%)」や「ゲームアプリ(31.6%)」での通信も控える女子が多いようだ。
【調査概要】
調査対象:10代女子
調査期間:2016年10月5日~2016年10月12日
調査方法:インターネットリサーチ
有効回答数:843名
調査主体:プリキャンティーンズラボ
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