UGCを活用する理由は「生活者への影響力」
UGCを広告のクリエイティブに活用する企業が増えている背景には、UGCが生活者の意思決定に大きな影響を与えるようになるなど、UGCそのものの価値が高まっていることがあります。たとえば、洋服を買うときにSNSに投稿された他のユーザーのコーディネート写真を参考にする生活者が増えてきています。SNSに投稿されたUGCがクチコミの役割を果たし、生活者の意思決定に強く影響を与えているのです。
生活者の意思決定に強く影響を与えているSNSの一つがInstagramです。Instagramは写真や動画を共有するSNSですが、ショッピングの前の情報収集に利用されることも最近では珍しくありません。Instagram上に投稿された商品写真やクチコミを確認してからネット通販で注文したり、旅行する際にホテルをInstagramの投稿の中から探したりするなど、検索プラットフォームとしても活用されています。

こうしたInstagramの使われ方は、生活者がモノを買う(消費する)際の一歩手前の意思決定に、UGCが強い影響を与えていることを示唆しています。実際、米国のアンケートでは「63%の生活者が、購入前に商品のUGCをSNSで探している」といった調査結果も出ています。こうした結果からも、UGCは生活者の共感を呼び起こし、購買行動に影響を与える強力なコンテンツであることがうかがえます。

UGCを新たな広告の概念として捉えよう
インターネットが普及する以前のマーケティングは、マスメディアを使って大々的にCMを展開して生活者にブランドイメージを刷り込んだり、小売店の棚を確保したりすることが重要でした。しかし、SNSやスマートフォンが普及した現在、生活者は購入前にその場で商品の最安値を検索したり、SNSの検索機能を使って商品の評判を確認したりすることが当たり前になったため、従来型のマーケティング手法が効きづらくなっています。
従来型のマスマーケティングや広告が効きづらくなる一方で、クチコミの重要性は飛躍的に高まっていることを踏まえると、生活者の意思決定に大きな影響を与えるUGCを、新たな広告の概念として捉えるべきだというのが私の考えです。
