マーケターに求められる、根本的な考え方がわかる1冊
続いて、2冊目にご紹介するのは『問題解決ドリル』です。著者は、現在共創プラットフォーム「Blabo!」を運営する坂田直樹氏。ユニリーバ・ジャパンのマーケティング部門でブランド戦略立案などに携わった経験もあり、マーケターとしても活躍しています。

著者:坂田直樹 1,400円+税 ダイヤモンド社
本書では、同氏が提唱する「重なり思考」で「ズレをなくし、問題を解決する」方法を30のケーススタディとともに紹介。重なり思考とは、企業の強み・思いと生活者の本音を重ねていくと、対応すべき答えが出てくるという考え方です。
企業がマーケティングを進めていく中、企業都合で広告宣伝のメッセージを作り、キャンペーンを行うというケースはいまだに散見されますが、これでは生活者に届かず課題解決に至りません。これに対し、30のケーススタディを見ていくと、課題解決の根本には重なり思考が働いていて、施策にも一切のズレやムダのないことがわかります。
マーケティングのデジタル化が進み、昨今ではマーケティングオートメーションや機械学習などに関する様々なソリューションが登場していますが、全てこの重なりの答えを解決する手段にしか過ぎません。
本書の考え方は、マーケティング論としてはもちろん、ビジネスにおける全ての場面で活用できます。さらに、ケーススタディも1問1答形式でわかりやすい上に、具体的に紹介されているので、「年末年始は忙しい、でも本を1冊ぐらいは読んでおきたい」という方にぜひ読んでほしい一冊となっています。