年末年始のセール前に読みたい1冊とは
最後、3冊目にご紹介するのは野村総合研究所(以下、NRI)のコンサルタント3名が執筆した『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?』です。

著者:野村総合研究所 松下東子+日戸浩之+林裕之 1,600円+税 東洋経済新報社
本書は、NRIが約20年前から3年に1度実施している「生活者1万人アンケート調査」のデータをもとに、日本の消費者の平均像や変化、注目すべきセグメントなどを解説した1冊です。
特にセグメントに関しては、若者やシニアといった現在注目の集まっているものはもちろん、ポジティブに生きる独身女性「インディーウーマン」、仕事もプライベートも充実させる「フルキャリ女性」など、今後注目が集まりそうなセグメントに関する調査結果も明らかにしています。
また、タイトルにもある「日本人が考えずにモノを買う理由」を調査結果で明らかにし、それに対し企業が取るべき戦略も記載。その中で、NRIは「利便性消費」と「おすすめ消費」を注目キーワードとして挙げています。
「利便性消費」は経済的な余裕はあるが、得られる情報が多すぎてサービスを選ぶ時間や自信がない、面倒くさいといった考えのもと消費を行うスタイルのことを指します。
一方、「おまかせ消費」は「利便性消費」スタイルのような人が、店員やサービスに選んでもらったものを消費すること。企業はこのようにおすすめを提案していく必要があり、かつその提案は顧客の要望に合わせつつ、新たな出会いや魅力を発見させていくことが求められるのです。
年末年始は、福袋の販売やセールなどが多くの店舗やECサイトで行われ、日本人が大量にモノを買う期間です。ぜひ本書を読んだ上で、ショッピングモールなどに買い物に行き、調査結果と実際の行動を見比べてみてはいかがでしょうか。