ワンストップで提供する意味
アタラ:私の拙い理解だと、アプリの計測では、AppsFlyerやadjust、そしてTUNEを中心に多くのツールが競い合っており、さらに日本市場では広告代理店もアプリ計測ツールを運営するなど、群雄割拠の様相を呈していると思います。
一方で、アプリ側としてはこれ以上SDKをどんどん追加するわけにもいかないので、先ほど仰られたように、SDK自体を統合していく流れになっていきますよね。そうなると、「結局どれに集約すればよいんだ」という悩みが起きやすい時期なのかなと思います。各社が差別化を図ろうとしている中で、TUNEの差別化のポイントはどこなんでしょうか。
岡田:前提として、TUNEはアプリ計測だけではないんです。先ほど「データを様々なセグメントを切って、広告などのプロモーションに活用することが、企業から求められている」と申し上げましたが、例えば、アプリ内での一連のユーザー行動を見ていくと、初めたは広告やオーガニックから流入し、その後様々な経過を通じて登録、その後は登録したアプリの中で課金を含めた様々なアクションを行います。弊社が提供する 「TUNE®Marketing Console」 は、この一連の流れのすべてを一つのSDKで提供できるのが強みになっています。

この図から言うと、発見とコンバージョンの間(Attribution Analytics)が、いわゆるアプリ計測ツールの位置付けになります。ユーザーにプッシュ通知したりアプリ内で行動を促したりする活動はIn-App Marketingになりますが、通常はこれらはアプリ計測の範囲を超えますので、専用の別のツールを入れる、ということになりがちです。
TUNEでは、Attribution Analyticsで取得しているデータとIn-App Marketingとして蓄積しているデータを利用し、例えば「Twitterから入ってきたユーザー」「ログインの頻度が3日に1度しかないユーザー」「特定のエリアにいるユーザー」といったセグメントに切り、そのユーザーさんに対してリエンゲージメントを行う施策がツール内で完結できます。こういった入り口から出口までをワンストップ、ワンSDKで提供するのがTUNEのサービスです。
アタラ:なるほど。先ほど私が挙げたような定義は「アプリ計測」で、その後のエンゲージメントまで含めると結局SDKは増えてしまうと。そう考えると、一つのSDKでできる範囲が広いという、TUNEの立ち位置がはっきりますね。ちなみに、セグメントを切ったあとのデータを例えば広告として活用するところはいかがでしょうか?
岡田:外部とのデータ連携もしやすいです。DSPなどの広告配信に加え、他の分析ツールやDMPなどとも幅広く連携しています。TUNE自体が多くのAPIを提供しているので、企業の中で利用されているさまざまな製品と繋げることができます。
2016年夏にMultiverseという製品をグローバルでリリースしました。各メディアからAPI経由でデータを繋いで費用対効果を算出できるものです。広告運用の現場では売上データや広告データを手動で集計していることが多いと思いますが、この機能があればかなり工数を削減できると思います。日本のメディアさんもいくつか繋がり始めたばかりなので、これからどんどん増やしていくのが直近の目標ですね。
