SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

LINE活用の事例多数!一方的な広告から脱却した継続的コミュニケーションとは

O2O・オムニチャネルへの可能性とID連携の価値

 田端氏は次に、オムニチャネルやO2O目的の活用も進んでいると2つの事例を挙げた。

イーグルリテイリング:LINEを会員証として機能

 小売業に多い施策として、ユーザーの購買履歴などのデータ取得を目指し、会員カードを発行することがある。しかしながら、複数サービスと提携しているポイントカードや来店頻度の高い店舗でないと、なかなか財布に入れて持ち運ぶことは少ない。

 その中で、American Eagle Outfittersのアパレル製品の販売を行うイーグルリテイリングは、LINE上でバーコード表示ができる機能の提供を開始。これにより、財布にポイントカードがなくともポイントを貯めることができる。

ファーストリテイリング:店舗での積極的案内を実施する

 ユニクロやGUなどのアパレルブランドを展開するファーストリテイリングは、店舗でのLINEアカウントの友だち追加を積極的に推進しているという。田端氏は休日、両ブランドの店舗に行った際に「レジ待ち列の近くに両社の公式アプリに関する案内にあわせて、LINEアカウントの友だち追加に関するチラシが貼ってあった」と語る。

 また、田端氏は続けて、既存サービスとのID連携に関する事例企業としてAmazonを挙げた。同社はLINEでも2,000万以上の友だちを抱えており、Amazonの顧客IDと連携させる取り組みを進めているという。連携によってユーザーは、商品の注文情報などをLINEで受け取ることが可能になる。またAmazonもLINE上にユーザーの購買履歴などをもとにしたレコメンド情報を送ることができる。

 この他にも田端氏はAIやIoTを活用する際にLINEを連携した事例なども紹介し、多彩な用途、目的で利用できることを示した。

「uno」のリブランディングにLINEを選んだ理由

 続いて、田端氏は実際のクライアント2社を招き、事例についてトークセッションを行った。まず登壇したのは資生堂ジャパンの山ノ井千草氏だ。同氏がブランドマネージャーを務める「uno」では、LINEにて、パーソナルヘアスタイルBotサービス「uno roid」の提供を開始(現在は終了)。同サービスでは、LINEのトーク上で6つの質問に答えると、最適なヘアスタイリング方法を動画で提示してくれる。

資生堂ジャパン株式会社 パーソナルケアブランド事業本部/株式会社エフティ資生堂
パーソナルケアマーケティング部 フェイス・ボディー・メンズ室 UNOグループ ブランドマネージャー 山ノ井千草氏

 山ノ井氏は今回のキャンペーンを実施した目的として、2016年に「uno」ブランドのポジショニングの再設定、ラインアップのリニューアルに関する認知拡大、そしてスタイリングに対する啓蒙活動を挙げた。その上でLINEを選んだ理由を3つ語った。

 「1つ目はターゲットとしている10代後半から20代前半のにリーチできる点で、2つ目は彼らが手軽にコミュニケーションを行うアプリであり、ブランドが入ることで密な関係性が構築できるのでははないかと考えた点です。そして3つ目は、LINEのプラットフォーム上では、双方向でのコミュニケーション設定ができる点。これらの点が揃っているのは魅力的でした」(山ノ井氏)

 資生堂ジャパンでは、ターゲットやLINEと同サービスの親和性を高めるため、診断結果にもとづいて送る動画フォーマットを縦型にするなどの工夫も行った。その結果、事後調査では「一般的なハウツー動画よりも自分に合ったものが提供されていた」と非常に満足度の高い結果となった。

次のページ
LINEでピザを日常的ファーストフードに

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/02/28 23:30 https://markezine.jp/article/detail/26137

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング