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イベントレポート

LINE活用の事例多数!一方的な広告から脱却した継続的コミュニケーションとは

LINEでピザを日常的ファーストフードに

 田端氏は続いて、実際の売上といったレスポンス獲得に活用を進め、成果を上げているドミノ・ピザ ジャパン(以下ドミノ・ピザ)の富永氏を招いてセッションを行った。ドミノ・ピザでは、LINE上でのピザの注文を可能にしており、同サービスの提供から半年でLINE経由での売上が2億円を超えたという。

富永氏写真
株式会社ドミノ・ピザ ジャパン 執行役員 チーフマーケティングオフィサー(CMO)富永朋信氏

 「年間500億近くの売上のうち2億円を、いきなりLINEが半年で叩き出したのは、相当なインパクトの大きい数字だと思っています」(富永氏)

 田端氏はこれだけのインパクトある数字をLINEで出せたことを踏まえ、ドミノ・ピザにおけるLINEの位置付けを聞いたところ、富永氏は「LINEはスペシャル」だと語る。

 「特に、サービスの設計が巧みだと思っています。たとえばTVCMは、広告代理店やメディア、広告主がクリエイティブの長さなどの作法を整え、視聴者にこれはTVCMであるという接触態度を作り上げました。ただ、デジタルメディアで接触態度を確立できているメディアは少ない。

 その中で、LINEはこれをユーザーに寄り添った形で、スタンプなど広告感の薄いサービス提供からはじめ、後にビジネスコネクトなどのサービスを少しずつ拡充してきました。消費者の口説き方が確立された数少ないデジタルメディアだと思います」(富永氏)

 現在、ドミノ・ピザの商品をLINEで注文するユーザーは20代から30代の女性が多く、スマートフォンかタブレットを利用している。この数字に対し富永氏は今後の展望を語った。

 「皆さんがピザを頼むシチュエーションとして考えられるのは、パーティーなどのイベントです。ただ、それでは我々の商品が世に広がらないんです。LINEのユーザーは若い女性のスマートフォンユーザーが多いので、今後さまざまな施策を展開してピザを、ハンバーガーやおにぎりなど飲食の頻度が高いファーストフードと同等の位置付けに持っていけたらと思います」(富永氏)

2020年に向け、LINEが掲げる3本の矢

 田端氏はここまでに語ってきたLINEの過去と現在を踏まえ、最後に今後の展開として3つの課題と解決策を発表した。

 まず1つ目は、EC化率の向上による、小売業の市場縮小。「これまでの広告や宣伝に特化してアプローチしているだけでは、オンライン単体で展開している企業が実業の市場を侵食していく」と田端氏は語る。

 この課題に対し、同社は店舗や企業が持つオウンドメディアとLINEをシームレスに連携できる「LINE Login」の提供を行い解決の一歩を進めたいという。

 2つ目の課題に田端氏は、ユーザーの広告に対する嫌悪感を挙げる。これに対する解決策としては、営業担当がLINEで直接顧客にアプローチできる特徴を持つビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」が効果的だと同氏は語る。

 「生身の人間ならではの接客サービスをLINEで行えるのが、LINE WORKSの強みだと思います。一方的な広告では無理だった、楽しく有益な情報をLINEで提供していただければと思います」(田端氏)

 3つ目は、人材不足による人件費の高騰という課題だ。これに対しては、AIやIoTの活用による効率化、省力化を実現していく必要があり、同社は法人向けカスタマーサポートサービス「LINE Customer Connect」で実現していくという。

 これら3つのサービスを通じて田端氏は「これまで以上にマーケティングプラットフォームとして進化したLINEを、LINEならではの切り口で活用いただければと思います」と講演を締めくくった。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/02/28 23:30 https://markezine.jp/article/detail/26137

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