検索機能を「接客」だと考えて改善し、コンバージョンにつなげよう
ゼロスタートの代表取締役社長・山崎徳之氏によればECサイト内における検索機能は、注目されることが少ない部分ではあるが、工夫によってはとても高い効果が見込めるポイントであり、伸びしろがある可能性が大きいものだ。
そもそも「ECサイトにおける機能は基本的に3つしかない」、と山崎氏は主張する。それは、商品を見つけるための「商品検索」機能、「決済」機能、そして正確かつ確実な「配送」機能だ。
そのため、サイトへの集客後にサイト内のコンバージョンをいかに上げるかを考える際、着目するのは、「消費者にどんな商品をマッチングさせるか」、これに尽きるのだという。
「まず、流入してきた顧客に対し、いかにして「買おう」という気持ちにさせるかが問題です。次に、いかに離脱者を減らし、コンバージョンに至る確率を上げるか。それを考えることが成果を呼び込むのです」(山崎氏)
なお、サイト内でのレコメンドについて、山崎氏は「上積みに過ぎない」と語る。レコメンドとは基本的には買うつもりになった顧客に対してクロスセル、アップセルを仕掛けるための施策であり、その前に買うつもりにさせないといけないのだ。
ゼロスタートは検索・レコメンドのソリューションを提供している企業であるが、ゼロスタートが受ける問い合わせの大半はレコメンドについての相談だという。
しかし、実際に導入に至ったソリューションの比率を見ると、サイト内検索・EC商品検索エンジン「ZERO ZONE SEARCH」が8割を占めているのだ。いわば、ECサイトの担当者の方ですら、検索の重要性を見逃し、おろそかにしているということが見て取れる。
検索の重要性に企業が気づかぬ理由
なぜこのように検索機能の重要性が抜け落ちてしまうのか、その理由の一つとして山崎氏が挙げるのが、認識のギャップだ。
サイト内の検索は、実店舗に置き換えて考えると、接客に近い役割だという。確かに、お店に入って商品を探したり、店員に問い合わせたりする行動と検索には近いものを感じる。それにもかかわらず、サイト内の検索を一機能としてしか考えておらず、接客として認識できていないケースがよくあると山崎氏は指摘する。
「実店舗の店員さんに『こういうものを買いにきました。予算はこのくらいです。なるべく新しい商品で評価が高いものはありますか』といった相談するイメージでユーザーは検索をしています。それを忘れてはいけません」(山崎氏)