「コーヒーモーメント」が行き交う様子を五感で感じてもらう
ビジュアライゼーションシステムでは、「バリスタ i[アイ]」専用のスマートフォンアプリでユーザーが入力する「コーヒーメニュー」と「その時の気分」のデータに加え、地理データや地域の天気情報データを掛け合わせることで、例えば「朝8時、雪が降る-5℃の北海道で、がんばるぞ!という気分でブラックコーヒーが飲まれた」といったように、コーヒーを飲んでいる人のストーリーを想像できるようにしました。このように、様々なデータを掛け合わせることでコンテクストが形成され、そこにあったストーリーがあぶり出されるのです。



また、イベントのシンボルとして5ヶ月かけて作り上げたのが、ブリューデータを音楽に変換する、高さ3.5mの大きなマグカップ型の”木製ピタゴラ楽器”です。この装置はビジュアライゼーションシステムと連動しており、日本のどこかで誰かがコーヒーを淹れると、スクリーン上の地図の該当する県からリアルタイムに小鳥が飛び立ち、会場中央に設置したピタゴラ楽器を鳴らすという仕組みになっています。
ピタゴラ楽器が演奏する音楽は、スマートフォンアプリから入力された「そのコーヒーを飲むときの気分」と「全国の「バリスタ i[アイ]」ユーザーのコーヒーを飲むときの気分」によって曲調が変化します。イベント会場にいるお客さまは、全国で発生しているコーヒーモーメントを視覚と聴覚から感じることで、その向こうにいる人のストーリーをエモーショナルに体験することになります。
全国のコーヒーモーメントが行き交う様子を感じるだけでなく、イベント会場にいるお客さま自身も、商品を通じてブランドストーリーに参加できるような体験を設計しています。イベント期間中、多くのお客さまに楽しんでいただくことが出来ました。




ブランドコミュニケーションにおける「ストーリー」の重要性がうたわれていますが、データテインメントは、IoT時代の新しいストーリーテリング手法として有効な選択肢になりえると考えています。リアルなストーリーを背景にもつログデータは、見る人の感情を大きく揺さぶるコンテンツの素として、有効に活用することができるはずです。みなさんが集積しているログには、どんなストーリーが内包されているのか、見つけ出してみてください。