顧客の嗜好性を分析し、すべての接点で「最適化」を行う
このAIA for CXを活用すると、彼女のアトリビューションをDMPに蓄積しており、ネット上での行動を把握していた。ここで、彼女に似たオーディエンスの情報をAIAが解析しており、「健康志向が高い」「紅茶を飲む」「オーガニック食品を好む」といった類似性があることがわかっていた。
そこで、彼女がSUPREMOのウェブサイトを訪問すると、彼女の個性に近いオーディエンスデータから、ウェブサイトの各パートに、彼女に対して訴求力のあるコンテンツを自動的に抽出し、トップページの画面に表示させたのだった。

「このような経緯でコンテンツを見た彼女は、紅茶のサンプル商品が15%割引になっているのを目にし、購入を決めます。彼女の趣向と、レコメンドから商品情報までの導線が一致したことで、彼女は購入を決めるという流れです。ここで商品を購入するまでは、彼女はアノニマス(そのサイトの既存顧客ではない状態)でした。ここでAIAは、サードパーティデータにアクセスして、彼女のデジタル上の履歴を把握するという、これまでとはまったく異なったプロセスで彼女の行動分析を行います」
AIA for CXではまず、オラクルのDMPである「Oracle BlueKai」のプロファイルにアクセスして彼女のデータをリアルタイムに引き出す。そして彼女が「フィットネス」「健康」「栄養」そして「彼女の経済状況」といったデータを把握し、彼女への訴求方法を検討する、という仕組みだ。

「彼女が広告をクリックし、サイト上で商品閲覧をしている間にも、リアルタイムでデータを分析し、常に最新の結果でレコメンドを表示させます。そのため、レコメンド表示は常に変化していきます。この間、第一者データと第三者データは、彼女に向けて利用されます。レコメンド表示では、単なるお買い得商品ではなく、彼女の経済状況に合わせた商品が表示されます。

ここで彼女は、ティーポットのカテゴリーを選択し、和風のティーポットをカートに入れます。一見、普通の購入経路のように見えますが、AIA for CXでは、SNSやブログなどのデータから最新の評価や流行を、サードパーティデータとして蓄積し、それを分析しています。カテゴリーをクリックした際に、こうしたデータと彼女の嗜好をかけ合わせ、サーチリザルトを表示させるのです。
ここで彼女は商品を購入するのですが、ここで初めて彼女の情報とEメールアドレスを取得することができました。これにより、次回から彼女によりパーソナライズされた導線を引くことができるだけでなく、パーソナライズされたメールでキャンペーンの訴求などができるようになるのです」
つまり、AIAによるマーケティングでは、集客、販売、アフターサービスまでを人工知能で自動化し、企業のマーケティング活動を大幅に高速化できる、というのだ。