ユーザーごとの「閲覧時間・回数」の蓄積によるROI向上
このような結果からも、MRC基準による「見えていたか」より、「どのように」「どれくらい」「見えていたか」が重要なのがわかります。
もちろん、国内のビューアビリティがMRC基準でも43%なのを考えると、大半を占める1秒すら閲覧を担保できていないインプレッションを削減することが必須なのは否定できませんが、最終的なゴールはビューアビリティの「率」の向上ではなく閲覧時間の蓄積だと考えます。

コンバージョンの関係を解析した場合
ご覧の通り閲覧回数の増加にともない、コンバージョン率も上昇することがわかります。このキャンペーンの場合、「8回」が最も効果的な閲覧回数の蓄積という結果になります。ただし、インプレッションベースのフリークエンシーキャップ(※)が多用されるなか、ビューアビリティ計測がまったくできていない状況で、正確に「何インプレッションユーザー毎に配信すれば何回閲覧されるのか」を見極めるのは不可能です。
※フリークエンシーキャップ:ディスプレイ ネットワークで同一ユーザーに広告が表示される回数を制限する機能
次に閲覧時間とコンバージョンの関係性ですが、一人のユーザーの累積閲覧時間(複数の閲覧インプレッションの閲覧時間の累積)とコンバージョン率を比べた結果が下記の通りになります。

閲覧回数のグラフと比較し、閲覧時間の蓄積がコンバージョン率に与える影響をより顕著に表しています。
一方で、一定の蓄積時間(上記の場合は100秒)を超えると、画面を開いたまま退席したユーザーなど、様々なデータが含まれるため、コンバージョン率への影響度が低下します。このキャンペーンの場合、上記からも50秒~100秒が最も効率的な閲覧時間の蓄積という結果になります。