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デジタル広告の適切なROI評価~アドベリフィケーション最新動向

複数視点でインプレッションを適切に総合評価する必要性【アドベリフィケーション最新動向】


「閲覧時間・回数」の蓄積に関する課題

 では実際のキャンペーンでは、上記のような最も効率的な回数や時間に基づいて運用できているのでしょうか?

 8回が効果的な閲覧回数と判明したものの、実際に全インプレッションを配信ユーザーごとで割りもどした結果、実際に8回広告を閲覧したユーザーは全体の0.32%という結果になっています

 約82%のユーザーが2回以下しか広告を閲覧しておらず、ユーザーごとの閲覧回数も大切ながら、根本的なビューアビリティの改善も必要な状況です。

 次に閲覧時間ですが、50秒~100秒間累積で広告を閲覧したユーザーの割合は1.96%に留まり、51%以上のユーザーが2秒以下しか広告を閲覧できていなかったということが判明しました。

 弊社では様々なブランドの広告キャンペーンを計測していますが、大半のインプレッションが極端に少ない回数、短い時間しかユーザーに閲覧されていないケースは、すべてのブランド業種で起こっています。

 これらの事実を踏まえ、デジタル広告が「広告としての効果」を発揮するためには、「ユーザーごとの閲覧回数、閲覧時間の蓄積」を念頭にした運用が必要になります。

 ビューアビリティ率を向上することはこの閲覧時間の回数と蓄積にプラスの影響を及ぼしますが、同時にビューアビリティ率だけではなく、メディアのクオリティや不正インプレッションの排除も必須になります。

 総合的にクオリティの高いコンテンツ・掲載面で、ユーザーごとに効果的に閲覧の回数と時間を蓄積していくため、ビューアビリティだけではなく様々な観点から総合的にインプレッション発生時の状況を把握し、データに基づく配信の効率化が重要なのです。

「閲覧時間」とメディアクオリティの関係性

 極端なたとえになりますが、世界トップクラスのニュースメディアのトップバナーも、2chまとめサイトのトップバナーも、MRC基準の「広告のクリエイティブが1秒以上表示」されたかどうかの「ビューアビリティ」という観点では大差はありません。

 ただし後者のほうがCPMは安いため、単純に見られていたインプレッションに対するコスト、「vCPM(v=ビューアブル)」でキャンペーンを効率化しても、ブランド毀損につながってしまうコンテンツへの配信量が増えてしまう例がいくつも存在しています。

 クオリティの高いメディアにはユーザーの滞在時間を促す質の高いコンテンツがあるため、そうしたメディアに配信することにより、閲覧時間がより効果的に蓄積される結果にもなります。

 下記の表はProgrammaticとDirect(純広枠)の閲覧時間を全体の平均と比較した結果ですが、MRC基準の「Viewability >= 1s(1秒以上の閲覧)」はもちろんのこと、「Viewability >= 5s(5秒以上の閲覧)」、「Viewability >= 15s(15秒以上の閲覧)」の閲覧時間の長いインプレッションの割合に関しても、Programmaticに比べ非常にパフォーマンスが高く、メディアクオリティと閲覧時間の関係性を示しています。

 この点も含め、「vCPM」だけではなくブランド毀損や不正インプレッションの排除もしっかりされた「ブランドセーフ」且つ「ビューアブル」なインプレッション、「Brand Safe vCPM」というKPIの考え方が必要になります。

 次回はより詳細にブランド毀損につながってしまうコンテンツや不正インプレッションについて、解析法や改善法も含め解説します。

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この記事の著者

山口 武(ヤマグチ タケシ)

Integral Ad Science Japan株式会社 アカウント・エグゼクティブ

ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部卒。2006年、Oddcast, Inc. 入社。2008年、Experian Marketing Solutions, Inc(ニューヨーク本社)にて大手広告主のマーケティングキャ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/29 23:24 https://markezine.jp/article/detail/26448

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