事業にどう役立てるのかも設計
また、オウンドメディアの場合は「企業本体との、目的のすり合わせ」も編集方針に組み込んでおくといいでしょう。
経営方針、組織連携を重視して、「商品のプロモーション」「サービスの効果実証」などの事業目的ありきでコンテンツ戦略を練ることは多いはずです。一方、会社の事業方針と切り離して、とにかく会社の名前を知ってもらえる機会を作るためのオウンドメディアという役割もあると思います。オウンドメディアをどういう目的で会社の事業に役立てるのか、設計したいところです。
オウンドメディアを運営していると、仕事の優先順位付けやら企画立案やらと、考えるべきことが多くあります。さらに手が回らなくなる業務量に圧倒されることもしばしば。そんな時、「編集方針」を見てメディア運営の目的に立ち返れば、悩みや迷いを振り切って、仕事に優先順位を付けて取り組める。そうすればおのずと光が差すはずなので、継続していきましょう。
目的・ゴール・目標をセットにしたコンテンツ設計
メディアの方向性や目的の次は、記事制作について解説します。毎月数十本、数百本掲載するメディアで1本ずつ丁寧に設計するのは困難かもしれません。ただ、「特にこの記事は当てたい!」という渾身の仕上がりを予感させる記事については、目的とゴール。最低限この2つを意識していきたいところです。
その記事を掲載する目的と記事掲載後のゴール。これらを意識して作った記事は、成果にも結びつきやすくなります。そのため、「目的とゴール」を設計することは、成功確率を上げるための準備として必要なんです。記事を制作する準備段階から、その記事を作り出す「目的とゴール」を設計しましょう。
目的は手入れするもの
オウンドメディア運営はスタート前、スタート後でも課題が多く、難しいと感じる場面が多いかと思います。そして、オウンドメディアだからこそ、会社を巻き込んだ運営方法を見出すのはハードルが高いものです。
繰り返しますが、なんのためにオウンドメディア運営をしているかわからなくなったら、目的に立ち返りましょう。
ダーツだって、どうせ投げるなら中心のブル目がけて投げたいですよね。ルールや状況によってはシングルやリングを狙うこともあるかもしれませんが、ブル(目的)へ向けて何をすればいいのかを考えていきたいところです。
しかし、「目的」と一口にいいますが、メディアを取り巻く一人ひとりの目的は大きく異なります。読者とメディア側で目的が違うのはもちろん、メディア内部でもライター・編集者・編集長といった役割・地位に応じて目的が違うこともよくあります。
さらに、目的は意識して手入れしないと腐っていきます。メディア内部での人の入れ替わりや読者の思考、時勢の変化など決めた当時は適切だった目的も、変化に応じて問い直していくべきです。そうしなければ、関係者すべてを無駄に制約して不幸にするだけの「足枷」になってしまいます。