なぜバズが求められるのか?
なぜバズらせる必要があるかというと、身も蓋もない言い方をすると「誘導する予算がない」からです。SNSで共感を呼んで数百万回再生される動画は頻出していますが、もし数百万回の誘導を広告費で賄おうとすると、けっこうな額になってしまいます。
であれば、共感されるコンテンツをそこそこの制作費で作って、誘導費はあまりかけない。それがたまたまSNSでヒットすればいいな、と考えるのは当然でしょう。しかしこれでは不確実性が高すぎて、安定した予算を獲得できません。これもまた、成果を測る方法が、PVと認知獲得しかないというのが原因です。「こういう態度変容をさせたい」という目標と結果を確認する調査があり、制作費だけでなく、誘導費をしっかりかけるのであれば話は違ってきます。
ただこれはネットの広告がまだ成長期だから起こっている現象で、CM等では数億円かけて上記の設計をしています。一方でネット広告ではビジネス上の成果が未知数な部分もまだまだ多く、実験的に数十~数百万をかけてバズればいいな、というのが現実です。
しかし、態度変容の調査をしない限り、永遠にこの状態から抜け出せません。というのは、広告主側の担当者にそういった結果レポートを持たせてあげないと、その担当者が社内を説得できず、プロジェクトが継続できず破綻するからです。PVと認知獲得だけであれば、従来型の運用型広告の方向が効率的でしょう。
コンテンツマーケティングの強みは「態度変容」と「行動変容」にあります。実例でその成果を見ていきましょう。
調査データによる裏付け
H.I.S.とコラボして、タイアップ企画としてコンテンツを制作。LINEで100万人に配信しました。物語性の強いマンガを使った広告です。読後の態度変容に関する調査レポートを紹介します。
コンテンツ接触後、「サービスを利用したくなったか?」を尋ねたところ、読者の9割近くが前向きな意向に変化したことがわかりました。

さらに詳しく感想を尋ねると、広告でありながら好意的に受け止められ、感情面にもプラスの影響をもたらしていることもわかりました。

このような成果は旅行サービスに限った話ではなく、一般消費財でも、理解度、好感度が大きく向上したケースがあります。
これらの結果は、PVやCTRを測るだけでは見えてきません。もしコンテンツマーケティングの成果をいまだPVやCTRだけで測っていたら、非常にもったいないことだと言えるでしょう。調査にもお金がかかるので、そうは言っても予算がない、という事もあると思います。鶏が先か、卵が先か、という話でもありますが、思い切って一度は調査をしてみることをオススメします。