SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

「ポリティカル・コンシューマー」にみる、新たな消費者インサイト

変化する日本人の価値観から「消費者」概念を再考しよう

「脱東京」から読み解く、日本人の価値観変化

 なぜ東京から離れるのか。地方の方が生活コストは安い、都会での満員電車や長時間勤務を避けたい、都会で子育てをしたくない、など理由は様々だ。また、地方創生の流れのなかで、地方で勝負したいという若者も多い。

 このような人びとの行動は価値観の変化の表れであり、マーケターは、このような社会変化から何を読み取るべきだろうか。

 「脱東京」が示すことの1つは、消費社会への疲弊と言っていいかもしれない。東京は生活コストが地方に比べ高い。その高い生活コストを稼ぐために、朝から晩まで身を粉にして働く。つまり、消費するためにストレスまみれになってお金を稼いでいるライフスタイルになっており、それに疲弊し始めているということではないだろうか。

大量の情報が氾濫する東京

 実際に、多くの地方移住者から、久しぶりに東京を訪れたらすごく疲れた、という声をよく聞く。筆者もシンガポール在住で、東京に行くたびに感じることだ。疲れる理由の1つは、消費を促す情報が街の至る所に氾濫しているからだ。脳は無意識に視覚・聴覚から入ってきた情報を処理している。東京にいると脳が無意識に大量の情報を処理しており、知らない間に多くのエネルギーを消費し、疲れてしまうのかもしれない。

 人びとが消費活動に疲弊してしまっているとしたら、経済活動は滞り企業の将来は悲観的なものになってしまうのだろうか。大量生産・大量消費の時代から続く消費を促すだけの広告やPRを続けるのならば、悲観的なものになってしまうだろう。しかし、この価値観の変化を理解し、新しい価値観に適応するならば人びとの賛同を得ることができるはずだ。

大量生産・大量消費の痕跡

 では次に、こうした価値観の変化が起こるなかで、企業はどのように振る舞えばよいのかを考えていこう。

次のページ
「消費者」という概念を考えなおす

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
「ポリティカル・コンシューマー」にみる、新たな消費者インサイト連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

細谷 元(Livit)(ホソヤ ゲン)

生成AI関連のトピックを中心に執筆。最近の注目トピック/キーワード:エージェンティックAI、LangGraph、Deep Research、Anthropic、オープンソースモデル

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/07/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26747

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング