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誤解03 インターネット広告ではブランディングできない

2006/06/02 12:36

インターネット広告は、ダイレクトレスポンスを獲得するうえでは有効な手法と広く認識されているが、ブランディングには不向きととらえられているようだ。しかし、インターネット広告のブランディング効果は、各種調査で次々と確認されている。

今回は「インターネット広告にはブランディング効果が期待できない」という誤解について、歴史的背景とユーザビリティに着目して解き明かしていきたい。

インターネット広告の隆盛と低迷

アメリカでインターネット広告のブランディング効果が注目されはじめたのは2000年ごろからだ。当時、ITバブルの崩壊とともにドットコム企業が市場から撤退したため、インターネット広告業界は低迷した。クリック率が低下していたことから、当時は広告効果に対する疑念も生まれていた。

そこで、インターネット広告業界は、広告はクリックされなくても効果があることを証明して、ブランディングに注力する伝統的な企業からの支持を得ようと動き始めた。各社はブランディング効果を解明するための調査を競って実施して、それを公開していった。その取り組みは成功した。インターネット広告は確実に利用者の視界に入っていて、広告認知やブランド認知の獲得、ブランドの特徴の理解やイメージの形成に有効だということが、広告主に正しく認識されるようになった。
また、インターネット回線のブロードバンド化と広告のリッチメディア化は、ブランディング効果をさらに強力なものにした。いまではバナー広告でも、雑誌広告と同じような高精細な画像、テレビ広告と同じような映像と音声を扱えるようになっている。

マスメディアとインターネットの関係

確かに、インターネット広告が苦手としているブランディング方法もある。例えばメディアの権威性を借りた信頼感や安心感の訴求といえば、インターネット広告よりも断然テレビ広告や新聞広告が得意とするところだ。また、インターネット広告は共通体験を創造しづらい。マスメディアの広告あるいは屋外広告や交通広告は、ひとつの広告を多数の消費者が同時に体験するため、消費者間で共通の話題となりやすい。しかし、インターネット広告は、ヤフーのトップページに大量に出稿したとしても、そのページを閲覧した一部の消費者にしか表示されない。

しかしながら、これまでマスメディアに負わせていたブランディングの機能の一部は、インターネット広告でも代替できるだろう。あるいは、インターネットでしかできないブランディングもある。というのも、インターネットは消費者が能動的かつインタラクティブに情報を得るには最高の手段だからだ。そして、先述したとおりブロードバンドの普及やマシンスペックの向上、さらに、マウスポインタの動きに反応するような双方向性の強い広告など、他メディアの広告では再現できない関与度の高いブランド体験を期待できる技術が日々構築されている。インターネット広告にブランディング効果を見出すことは、まだまだ可能だ。

ユーザビリティを阻害しないことがブランディングへの道

最後に、ブランディングのためにインターネット広告を活用するとき、気を付けたいのはユーザビリティを阻害しないことだ。インターネットは何らかの目的をもって能動的に利用されることが多い。消費者はその目的を阻害されることに強く反発する。一般的なバナー広告なら心配いらないが、広告がウェブページの上を浮遊するフローティング広告などを使用するときは、細心の注意が必要だ。うまく活用すればポジティブなブランドインパクトを残せるが、目障りだととらえられては逆効果だ。目立ちつつ邪魔にならないよう、広告の大きさや動きを調整したり、閉じるボタンを用意したり、音声を初期設定でオフにするなどの工夫が欠かせないだろう。

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