SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineニュース

感情を認識するAIがウェディングドレスを彩る!女子にウケたAI活用事例【東京ガールズコレクション】

 2017年9月2日、「マイナビ presents 第25回 東京ガールズコレクション 2017 AUTUMN/WINTER」(以下、TGC)が開催された。25回目の開催となる日本最大級のファッションフェスタにて、東京ガールズコレクション実行委員会は、今回AIを活用した2つの企画を実施。両企画ともイベントを華やかに彩った。

感情を認識できる「コグニティブドレス」とは?

 初めに紹介するのは、IBMが制作した「コグニティブ・ドレス」のランウェイ企画。コグニティブドレスは、日本アイ・ビー・エムが開発したAI「IBM Watson」により、人の感情を認知し、その感情に応じて真っ白なドレスの色を変化させることができるものだ。同イベントでは、Twitterに投稿されたツイートの中から「#マイナビウェディング」の付いた投稿内容をWatsonが分析し、喜び・感動・良心的・快い・外向性の5つの感情に合わせて、ドレスの色を変化させた。

コグニティブドレスを着用したランウェイの様子。観衆の感情をリアルタイムでドレスの色を通して把握することができる。写真は青色で「快い」の感情を意味している。
コグニティブドレスを着用したランウェイの様子。
観衆の感情をリアルタイムでドレスの色を通して把握することができる。
写真は青色で「快い」の感情を意味している。
ピンクに変化したドレス。ピンクは「喜び」を表している。
ピンクに変化したドレス。ピンクは「喜び」を表している。

 今回の企画について、日本アイ・ビー・エムの執行役員である吉崎敏文氏は「マクロの反応をリアルタイムですぐに把握できることがポイント」だと言う。「商品でもサービスでも受け手となる消費者の反応をリアルタイムに把握することは、マーケティングの非常に基本的ことだが、これまでなかなか実現できなかった。Watsonによってリアルタイムに把握することが可能になったユーザーの声を、マーケティングはもちろん、クリエイティブの知見につなげていきたい」と吉崎氏。

 吉崎氏によると、アメリカでは既に、Watsonから得たユーザーの声を音楽の作成に活かしている事例があるのだという。人間にとって、どのような音楽が心地よいのかをWatsonが解析し、クリエイティブの知見として活用しているそうだ。

 また、吉崎氏は最後に「AIを提供する側ではなく、AIの可能性を享受する企業側が積極的にAIを活用してもらいたい」と述べた。同企画も、立案者はTGCを開催したマイナビの担当者だった。ITに従事している企業からは生まれなかったという柔軟な発想やアイデアが、AI活用における重要なポイントといえる。

AIがファッションの審査員に!?

 次に紹介する2つ目の企画は、AIが審査員を行ったスナップコンテストだ。同企画では、TGCとAI開発専門会社の9DWが共同で、ソーシャルで支持されるコーディネートを審査するAIを開発。当日はこのAIを活用して、会場の来場者のファッションをAIが審査し、その結果を随時特設サイトにて公開した。

公式サイトにアップされたスナップ写真ランキングのページ<
公式サイトにアップされたスナップ写真ランキングのページ

 今回9DWが開発に取り組んだAIは、SNSのいいね!の数を自動予測し、その数値から審査結果を出すというもの。SNSで日々投稿されるコーディネート画像の中から、より支持されているコーディネートを抽出し、その配色やパターンを深層学習したAIが、SNSのいいね!の数を自動予測することができる。

 9DWの代表取締役社長、井元剛氏は今回の企画について「AIの啓蒙ができるという点で、今回の施策は非常に良い機会になると思う」と述べた。さらに今後のAI発展の展望として「現在もパートナー企業とジョイントベンチャーのような形で別の企業を4つ設立している。できるだけ多くの企業と組んで、色々なデータをAIに学習させたい。データと知見を蓄積したいのが我が社の狙いで、それを活用して収益を上げるのが企業側の狙い。適材適所で協力して、AIを発展させていきたい」と語った。

 若い女性、いわば女子たちが集う同イベントで「AIって何?」となることなく、自然と受け入れられ、イベントを盛り上げた。今回実施された2つの企画は、生活者、さらに言えば若い世代にまでAIが浸透してきたことを明らかにしたのではないだろうか。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/09/07 10:30 https://markezine.jp/article/detail/27032

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ


イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング