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圧倒的存在感を放つ「LINE Ads Platform」、事業成長に欠かせない組織体制とは

 2016年6月、広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform」が本格運用を開始してから1年少々。広告配信の新たな選択肢として、この1年ですっかり定着し、導入企業も1,000社を超える。短期間の定着を決定づけた背景とは何か? 現役で働く現場のLINE社員へのインタビューを通じて、LINEという組織の魅力やLINE Ads Platformの今後の展望について、幅広く話をうかがった。

プラットフォームとプロダクトを統括する、期待の若手2名

 運用型広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform」(以下、LAP)が本格的に開始されてから1年強が経過した。着実にアカウント数や売り上げを重ねて、今後のさらなる飛躍が見込まれるLAPだが、LAPをはじめ断続的に様々な新サービスでデジタルマーケティング界を賑わすのが、LINEという会社、組織である。

 コミュニケーションアプリ「LINE」の月間アクティブユーザー数は、ついに7,000万人を突破(2017年1~6月期の連結決算より)。老若男女のデジタルインフラとして国内で定着しているからこそ、LINEに基づくあらゆる施策に対する企業ニーズは高まっている。

 β版の導入を経て、2016年6月からLAPの本格運用が開始される中、現場で奮闘する現役社員はLAPをどう捉えているのだろうか。

写真左:LINE株式会社 プラットフォーム企画チーム 北出 庫介氏 写真右:LINE株式会社 ビジネスプロダクト企画チーム 須藤 奨氏
写真左:LINE株式会社 プラットフォーム企画チーム 北出 庫介氏
写真右:同社 ビジネスプロダクト企画チーム 須藤 奨氏

 まずは今回登場いただいた2名にそれぞれのプロフィールを語ってもらった。両者とも2016年入社と社歴は浅いが、一線で活躍しLAPの成長を支えている。

 「プラットフォーム企画チームでプロダクトマネージャーを担当している北出です。2016年12月に中途でLINEに入社しました。現在はLAPを中心に、機能拡充などに関する企画を行っています。日本発のプロダクトで、海外でも勝負できるプロダクトをLINEで実現したいと日々考えながら仕事をしています」(北出氏)

 「ビジネスプロダクト企画チームに所属する須藤です。私は2016年4月に新卒採用でLINEに入社しました。現在は、LAPはもちろん、公式アカウントなどの他の広告商品を横断的に見て、プロダクトマネジメントやプランニング業務を行っています」(須藤氏)

日本と韓国の開発メンバーでスピーディーにサービス改善

 LAPが歩んだ1年あまりを振り返ると、運用前の2015年からLINEアプリのタイムラインで広告表示テストを開始。その上で2016年4月からLINE内の広告表示面に運用型広告配信の試験運用がスタートした。その際、LINEの連結子会社であるM.T.Burnのスマートフォン向けネイティブ広告プラットフォーム「Hike(ハイク)」を基盤とした。

 2ヵ月の試験運用を経た後、6月から正式にHikeを基盤に据えたLAPの本格運用が開始された。LINEユーザーの広告への接触者数が月間で4,100万人以上とされることからも、LAPの本格運用は、国内の様々な企業、ブランドにとっても待望のリリースだった。

 そしてLAPは先述のHikeを基盤にしているが、LINE自体も開発組織を持ち企画・開発を行っている。

 「本格運用を開始した当時、私は入社前でしたが、元々LAPの企画や開発は韓国にいるメンバーが主導していました。ただ、よりスピード感のある開発や企画が必要だと考えた結果、2016年7月に日本側でも更なる注力をするべく正式な企画チームが立ち上がり、8月からは国内でのエンジニア採用も始まりました。

 企画と開発のメンバーがどんどん増えてきたタイミングで、私が12月に入社。日本側と韓国側それぞれのメンバーが連携し、コミュニケーションを取りながら開発を進める体制となったわけです」(北出氏)

今注目の広告プロダクトを展開する3社の責任者が登壇

 9月30日の14時からLINE新宿オフィスにて、今回記事に登場しているLINEの北出氏、サイバーエージェントの子会社AJAの小越氏、スマートニュースの前田氏、3名のプロダクトマネージャーによる講演とトークセッションが行われるMeet upイベントの開催が決定しました!

 3社の広告プロダクトづくりや仕事内容について理解できる内容になっており、定員は30名。増席の可能性もありますが、席数に限りがございますので、申し込みはお早めに! 詳細はこちら

成長を支える企業風土と社員のスピード感

 LAPは、既に1,000以上の企業・ブランドが利用(2017年1月末)。大規模を支えるプラットフォームへと成長する一方で、LAPは定期的に新たなオプションメニューが加わっている。7月以降だけでも、1ユーザーあたりの広告表示回数(フリークエンシー)を制限しリーチの最大化を図れる「リーチ&フリークエンシー」と、広告接触によるブランドリフト調査が可能となる「ブランドリフトサーベイ」の2機能がオプションメニューとして追加された。

 「LAPの成長を支えるのは、LINEの社内風土や社員の持つスピード感」だと北出氏は補足した。

 「入社後、企画を立てるチャンスが多くありました。しかも、現在のサービス規模にもかかわらず、開発へのGOサインに煩雑な手続きが生じません。機動力や柔軟性で乗り切るのがLINEという企業です」(北出氏)

 ビジネスインパクトは求められるが、「LINEだからこそ、こうしたことをやったほうがいい」「サービスとして実装しておくほうがLINEらしい」という提案について、スピード感をもってGOサインが出る。サービスを実装すべき背景などを理解してもらう必要などはあるが、それでも他の企業に比べ意思決定は早い。

 「とにかく社内の決議までの判断が早いのが弊社の特徴です。決まれば即日プロジェクトチームが発足し、一気に進めるように心がけています」(北出氏)

 「プロジェクトが始まってから開発着手までのスピードが早いため、新機能やオプションメニューのリリース頻度を高めることができています」(須藤氏)

強みは徹底した社内コミュニケーション

 一方で、LINEという大きなプラットフォームを舞台に、2人が目まぐるしい環境に身を置いていることも伝わってくる。日々の業務で、特に大変に感じることはないのだろうか?

 「日本と韓国のメンバーがいるだけでなく、企画や開発、営業など、プロジェクトチームには立場の異なるメンバーが在籍します。そのため、それぞれの立場の人にきちんと意図が伝わるコミュニケーションができるかどうかが重要です。

 スピード感は重視しつつ、認識のズレが出ないよう慎重に企画の意図を伝えるようにしています。例えば、日本と韓国でもマーケットの事情は異なりますし、企画と開発でも気になるツボが違いますからね」(北出氏)

 この部分を怠らずに進めると、企画が進んでからのスピードが変わってくる。

 「弊社内に優秀な方々が揃っているだけに、意図が伝われば迅速に開発が進みます。立場を越えた理解が進めば、プロジェクトの足りない部分を様々な角度から補強できます。営業や事業企画チームともコミュニケーションを重ねて、フィードバックをもらい、リクエストに応えるか応えないかを判断し、応えない場合は理由を説明します」(北出氏)

 LAP以外にも、LINE公式アカウントとの連携などについても検討すべき立場にある須藤氏は、LINEが抱える大多数のステークホルダーへの配慮が欠かせないと語る。

 「LINEはコミュニケーションツールですので、利用者が受け入れられる“いい感じ”の状態で広告を表示したい。ユーザーに不便なく、メリットのある形でプロダクトを提供したいのです。関係部署が多くなるのは大変ですが、関わる人、支える人が多いからこそ、手を抜きたくない工程です」(須藤氏)

今注目の広告プロダクトを展開する3社の責任者が登壇

 9月30日の14時からLINE新宿オフィスにて、今回記事に登場しているLINEの北出氏、サイバーエージェントの子会社AJAの小越氏、スマートニュースの前田氏、3名のプロダクトマネージャーによる講演とトークセッションが行われるMeet upイベントの開催が決定しました!

 3社の広告プロダクトづくりや仕事内容について理解できる内容になっており、定員は30名。増席の可能性もありますが、席数に限りがございますので、申し込みはお早めに! 詳細はこちら

LINEが今求める人材とは?

 2017年1月時点、LAPの導入企業が1,000社を超えたことにも触れたが、ここまでのLAPの売り上げや効果、成果についてどう考えているのだろうか?

 「売り上げは公表していませんが、毎月上がっていますし、成長を感じるポイントの1つです。LAPはダイレクトレスポンスにおけるCTRやCVRについて、導入前後での改善幅が大きく、効果を実感しやすいというクライアントからのフィードバックも多数いただいています」(北出氏)

 「公式アカウントに出稿していた企業がLAPも導入するケースが増えています。LINEの主な広告商品といえば、公式アカウントかLINE ビジネスコネクト、スタンプでしたが、企業の価値を高める施策にLAPが、身近で現実的な選択肢になる手応えを感じています」(須藤氏)

 ここで、LAPをはじめLINEの進化を支える二人が考える、LINEが求める人物像を聞いてみた。

 「(広告プロダクトの)企画をしたい人は、広告やマーケティング好きであればいいですね。広告主さんや代理店さんとの折衝が多い中で、相手からのリクエストをそのまま持ち帰るのではなくて、ある程度の知識の前提を持ちながら内容を判断できる必要があります。

 また、新規プロダクトは開発から完成までは時間がかかります。半年先、1年先を見据えながら状況を楽しめる人、“こんなサービスを実現したい”という熱量溢れる人は、エキサイティングで充実した日々が送れると思います」(北出氏)

 「スピード感のある職場だけに、スピードに追いつくために自らキャッチアップを欠かさない人でしょうか。弊社は個人の裁量がとても大きく、新卒か中途なのかは関係ありません。私が新卒であることを知っている人も少ないのではないでしょうか(笑)。

 それだけ、誰もがフラットに仕事できる分、責任重大です。しかしながら、様々な部門、部署の皆さんを巻き込んでサービスやプロダクトを作れるやりがいのある職場です」(須藤氏)

meet upを通じて企業理解を促進

 二人の話を聞くと、LINEという組織の強みは、企画側と開発側になんでも言い合える環境であることが大きいといえる。

 企画サイドと開発サイドは社内でも受発注の関係性が生まれがちで、企画側のオーダーをつつがなく開発すればよしとする向きもある。それを許さず、求めるゴールを社内共有しながら、部門の壁を取り払ってコミュニケーションを行い、企画に反映できることがLINEの発展性や底力につながっている。

 最後に、これからのLINE、LAPの展望をうかがった。

 「LAPは、昨年末時点ではほぼ100%ダイレクトレスポンス向けでした。それだけでは広がる顧客ニーズに対応できないと年明け早々、ブランディング向けの商品企画を出し、すぐにGOサインが出たので実装を行い、7月のリリースにつなげました。今後もダイレクトとブランディング、それぞれの目的を達成できるソリューションを、LAPで出していきたいです」(北出氏)

 「LAPも公式アカウントも手段でしかないので、横断的に活用できて数多くの企業の支援に欠かせないプラットフォームを構築したいですね」(須藤氏)

 LINEは、今後、デジタルマーケティング業界の活性化や人的交流、情報交換やフィードバックの場として、LINEは各種の交流会の開催にも積極的に行っていくという。すでに9月30日にはサイバーエージェント子会社のAJAとスマートニュース、LINEの3社によるAds Product Manager Meet upの開催が予定されている。

 イベント内では北出氏をはじめ、各社の広告プロダクトマネージャーが登壇し、いかにして現在の広告プロダクトを立ち上げ、成長させてきたかを講演と3社のトークセッションで明らかにする。このMeetupに参加し、LINE社内に流れる気鋭の風土に接するのも良さそうだ。

 今後LINEが、社内外の活動を活発にしながら、どのようなサービスソリューションを提供するのか。北出氏と須藤氏の活躍とともに、新たなLAPの展開にも期待したい。

今注目の広告プロダクトを展開する3社の責任者が登壇

 9月30日の14時からLINE新宿オフィスにて、今回記事に登場しているLINEの北出氏、サイバーエージェントの子会社AJAの小越氏、スマートニュースの前田氏、3名のプロダクトマネージャーによる講演とトークセッションが行われるMeet upイベントの開催が決定しました!

 3社の広告プロダクトづくりや仕事内容について理解できる内容になっており、定員は30名。増席の可能性もありますが、席数に限りがございますので、申し込みはお早めに! 詳細はこちら

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27087