「タテ型動画」注目のワケ
2016年から注目を集め出した、「タテ型動画」。これまで主流だった16:9(ヨコ:タテの比率、テレビのハイビジョンと同様)の「ヨコ型動画」は、スマートフォンで全画面視聴をする際には本体をヨコ向きにする必要がありました。しかし、「タテ型動画」はタテ向きのまま全画面視聴ができるという特長をもっています。
2015年に女性向けタテ型動画メディア「C Channel」がサービスを開始し、2016年3月には動画の再生数が月間1億を突破するなど瞬く間に成長したことが、日本でのタテ型動画の認知を大きく拡大させました。
さらに、SNSユーザーの増加、特に日本国内での「Snapchat」「SNOW」「Instagram」の人気が急速に高まったこともタテ型動画の認知拡大に一役買ったといえます。2011年にサービスを開始した「Snapchat」は撮影・投稿・視聴すべてがタテ型。米国でのタテ型動画人気の火付け役ともいわれており、日本でも2015年頃から注目を集めました。
また、自撮りや動画加工機能で2016年に日本で爆発的人気となった「SNOW」もタテ型動画が主流となっています。さらに「Instagram」は2016年8月にタテ型動画の投稿やライブ配信ができる「ストーリー機能」の提供を開始しました。
このようにメディアやSNSの動向をまとめてみると、タテ型動画への注目が急速に高まった理由は一目瞭然といえそうです。そしてどのメディア・SNSも特に女性から高い支持を集めているという共通点があるのです。
女性の6割以上が「タテ型動画を見ることがある」
それでは実際に、タテ型動画はどの程度女性に普及しているのでしょうか。トレンダーズが2017年8月に15歳から39歳までの女性360名を対象に実施したインターネット調査によると、女性の60.8%が「タテ型動画を見ることがある」と答えました。
年代別に見ると10代は72.5%、20代は67.5%、30代は42.5%という結果となり、若い層ほどタテ型動画を視聴している傾向にあることがわかりました。また、「タテよりヨコ型動画のほうが見やすい」と答えた女性は全体で35%にとどまり、タテ型動画への抵抗が少ないことも明らかとなりました。
ちなみに、タテ型動画のほうが見やすい理由としては、「画面が大きいから」という意見が最も多い一方、「ヨコ型動画はスマホを傾けるのが面倒」という意見も多く見られました。
そこで、(1分以内の)短尺動画を見る際のスマホの向きについて聞いたところ、「タテのまま」と答えた女性は61.4%と、「ヨコにする」と答えた19.4%を大きく上回る結果となりました。ちなみに同様の調査を15歳から39歳の男性360名に行ったところ、男性は「タテのまま」が44.2%、「ヨコにする」が28.6%という結果となり、女性は男性に比べ、短尺動画を見る際にスマホの向きを「タテのまま」にしている傾向が強いことがわかりました。