8億強のデータ、日本の人口にどう合わせる?
しかしながら、村山氏はデータの多さだけが強みではないと語る。
「PCとスマートフォンのCookieやアプリのIDをすべて足し合わせたら8億強あるのに対し、日本の人口1.27億人。これは、クロスデバイスでのユーザー統合ができていないことを指します。これらのデータをつなぎ合わせるため、我々はOne IDへの統合を図りました」(村山氏)
One IDとは、これまでのデバイスやブラウザ、アプリごとに認識されていたCookieやIDを統合して1人として認識する。まだ、すべてのCookieやIDをつなぎこめるプレーヤーはいないと同氏は語りつつ、できる限り日本の人口に近づけていきたいと意気込む。
現に電通はOne IDの利活用に優位性を持つMarkle社を買収し、日本にもナレッジを共有している。さらには、Supershipの持つクロスデバイス識別技術を用いて統合を進めている。セミナーでは、オンライン上のOne IDの数が2,000万程度あることを明かした。これにより、スマホブラウザとアプリで連携した施策の実施が可能になる。

また、2016年6月よりSTADIAで進めてきたリアルのテレビ視聴データとWebのオーディエンスデータを統合した分析と広告配信も行えるようになったという。これにより、TVCMの接触とネット広告のアトリビューション分析が実現する。
大手プラットフォーマーとの連携も強化
そして村山氏は3つ目の「フルファネル統合マーケティングを可能にするプラットフォームの構築」について、「生活者を捉えながら獲得のみならず、ブランディングやCRMなどコミュニケーション全体のPDCAを回していくプラットフォームを現在構築している」と語る。今後の課題として位置情報やOOHの施策を挙げ、これに関わる取り組みを強化していきたいとした。

そして、村山氏のパートの最後に、GoogleやFacebookなどの大手デジタルプラットフォーマーとの連携についても語られた。
「大手のプラットフォーマーさんと連携し、People DMPでたまったデータを提供することで、分析にも役立てていただきたいと考えています。データ観点でのクライアント様のアカウンタビリティを向上させていきたいです」(村山氏)