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膨らんでいくデータ、企業はどう向き合う?~データから考える未来のマーケティング像

データビジネスの未来は“人材育成”と“ショーケース”で作る 欧米の事例から学ぶ“進化のカギ”とは?


データビジネスの加速、求められる“人材育成”

 そうしたデータでビジネスを推進していく未来を実現するには、まずは人材の育成が急務です。日本企業の現場で、データの利活用がうまく進んでいない理由の1つは、データマーケティング文脈に翻訳できる人材が少ないのではないかと思ってます。データ分析からその解釈まではアナリストの仕事と思われている節があります。

 分析結果というファクトの羅列状態からマーケティング戦略・戦術を導き出していかないと、分析レポートが経営会議などに上がっても、経営陣もどのように現場にフィードバックしていいかがわからない。そのため、データマーケティングの翻訳家のような人材を育成することが、日本企業では重要になってきます。

  欧米ではCEOクラスの人たちがデジタルマーケティングの重要性を理解していたり自らデータを解釈できたりするので、現場もマーケティングやデータ分析の必要性に応じて、きちんと戦略・戦術に落とし込めている企業が多いのだと思います。

エージェンシーの機能をうまく活用して“ショーケース”を作れ

 もう一つ、データビジネスの推進に必要なことがあります。それは、データ利活用のシンプルなショーケースです。ショーケースとは、誰がやってもある程度の合格点を取れるようなスキームやワークフローのようなもので、“型”になっていると応用もしやすく、データマーケティングの推進につながると思います。

 そして適切なショーケースを作るには、エージェンシーの機能が重要になってきます。

 1st Partyデータだけで不足していれば、“こういうデータが必要ですよ”とか、あるいは“そんなに必要ないのでは”といった提案も含めて、目標や仮説に対して、データ利活用のあるべき姿をブランドであるクライアント企業と一緒に考えて提示できると、ショーケースも生まれやすくなると思います。

  冒頭で、“欧米の現状が10だとすると、日本は2か3くらい”だと申し上げましたが、私自身は日本のデータビジネスの未来は“20”くらいまで目指せると考えています。それには繰り返しになりますが、人材育成とショーケースの積み重ねが必要です。

 さらには、多くの企業がそれぞれ保有している自社データを有効活用できるようになり、かつ、ライブデータなど新たなデータが市場に出てくれば、そう遠くない未来に、マーケティング活動が経営をけん引する、マーケターにとって新しい世界が到来するかもしれません。

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この記事の著者

中村 大亮(ナカムラ ダイスケ)

 Supership株式会社 広告事業本部 CMO。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/11 15:04 https://markezine.jp/article/detail/27176

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