コミュニティに不可欠なリーダーの見つけ方
松澤:あくまで主導となっているのは、勉強会を行うコミュニティであり、AWS社がそれをサポートするという理想的な関係性ですね。ちなみに、リーダーの任命などは、どうされているんですか?

石橋:我々で、正式にリーダーを任命することはないです。ですが、リーダーはコミュニティにとって非常に重要だと考えているので、リーダーにふさわしい方を見つけたら「我々との連絡係になってください」とお願いすることはあります。
中にはリーダーと名乗りたくない実質リーダーの人もいますが、連絡先になっていると自ずとその人がリーダーとしての自覚をもってくださることが多いですね。リーダーは、一人でできることを3人で進めることができたり、マイルストーンを確認できるような人が多いと感じてます。周りも自然と、そういった方たちのことをリーダーとして認識していくようです。
松澤:リーダーとは、どのような時に連絡を取るのですか?
石橋:活動初期の頃は「コンテンツ作成の協力はするので、まずは3回勉強会をやってみましょう」というお声がけします。でも直接手は出しません。コンテンツの作成に関してはAWS社から社員を派遣することもあります。最新の技術資料やAmazon社のカルチャー面、他のコミュニティ事例などを扱うことが多いですね。
また、活動スピードが低下しているときは、新しいリーダーの方を中心にして再活性をお願いします。私たちはそれを「リブート」と呼んでいます。
日本全国のコミュニティが自ら組織化した背景
松澤:JAWS-UGはどのような組織になっているのですか? またそれはAWS社が働きかけて作ったのですか?

石橋:組織のイメージは、JAWS-UGの各コミュニティリーダーがいて、それらをまとめる支部長がいて、さらにコアリーダーがいて、さらにその上には毎年交代の総代表がいます。これらは、AWS社から依頼して作ったというよりは、JAWS-UGの中で自然にできたものです。
松澤:自ら組織化していったというのが、おもしろいですね。私はお手本となる人を前に出して組織化を進めると、コミュニティがさらに活性化すると考えております。AWS社では「お手本」となる人を認定するようなことはありますか?他の企業でいうアンバサダー的な立ち位置でしょうか。

石橋:AWS-UGからは過去数名「AWS Samurai」という称号を発行しています。これにはコミュニティで全体的に大きく貢献してくれた人を選ぶことが多いです。
実はこのAWS Samuraiという称号は海外に輸出されていて、グローバル規模でも「AWS コミュニティヒーロー」を毎年決めています。毎年世界で数名から数十名選ばれるのですが、来年は日本からも選出されることを期待しています。