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レシピ動画サービスで急成長の「クラシル」、デジタル×TVCMが生んだ恩恵を探る

リリースから劇的な早さでTVCM出稿、なぜ?

MZ:TVCMまでの展開がここまで早いのは珍しいかと思うのですが、その経緯を教えてもらえますか。

小平:TVCMへの出稿はサービスを一気に成長させることを考えた時に初期から念頭にはありました。オンライン広告の出稿に注力を続け、ある程度オンライン広告の運用が安定した段階で、当初から考えていたTVCMへの出稿という可能性が、しっかり選択肢として考え始めました。

 また、サービス立ち上げから早い段階でこの考えに至ったのは、メルカリさんやGunosyさんなど非ゲームアプリでもTVCMで成功しているモデルがあり、それを参考にすることができたからです。

MZ:TVCMを出稿する前はどういった印象、仮説を持っていましたか。

小平:基本的にはクラシルのユーザーはIT界隈で広がっているというよりも、主婦の方をはじめ、ITとは無縁に近い女性たちに広がっていたので、とても親和性が高く、リーチが取れるのではと考えていました。

MZ:サービスとターゲットの相性は確かに良さそうですね。施策を行うにあたってどういった点を意識しましたか。

小平:まずは非ゲームアプリの出稿事例やクリエイティブを調べました。また、食品会社のCMに反応する層とターゲットが近いと思ったので、どの時間帯に、どういったCMを出稿しているのかもあわせて調査しましたね。

 そして、ユーザーヒアリングなどの事前調査も行い、ようやくTVCMの制作、出稿に踏み切ることができました。

デジタル×TVCMで「見たことある」感を演出

MZ:クリエイティブを制作する際、何を意識しましたか。

小平:クリエイティブを作る上で1番意識したのが、レシピが動画でみれること、それがアプリであること、そのアプリはクラシルというサービス名をきちんと覚えてもらうことです。

 そのためにキャスティングも、その当時から人気のあった木村文乃さんを起用しました。木村さんはInstagramアカウントで「#ふみ飯」という美味しそうな料理の写真をあげており、木村さん自身も「ていねいな暮らし」という印象を持たせるような人物であるため、まさしくクラシルのブランドイメージにもピッタリな方でした。

 ブランドイメージと親和性の高く、かつ男女ともに人気のある方にサービス名を言葉にしていただくことで、信頼度を高めるという狙いもありました。

MZ:TVCMを出稿している間は、オンライン広告の出稿はどうしていましたか。

小平:オンライン広告の出稿も並行して進めることで、アプリのユーザー獲得の最大化を目指しました。TVCMでもレシピを紹介しているのですが、それに関するコンテンツを動画広告で配信し、さらにはTVCMの素材、通常のデジタル広告もクリエイティブとして運用し、1番獲得効果が高いものはどれか比較するという形を取りました。

 TVCMで流れているレシピをコンテンツとしても流すと、「あのレシピ、見たことある」と認識させることができ、実際の獲得増加にも寄与しています。

 また、予想外だったのが、TVCMで流すレシピに使っていたある食材の売り上げが1.6倍上がったと食品メーカーさんから報告を受けました。それが私たちの広告のクライアントにつながったので、これには驚きました。

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TVCM出稿でダウンロード数が激増

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27298

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