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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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女性の心をつかむマイクロマーケティングとは? トレンダーズとエーザイが明らかに

細分化された情報はデジタルで発信

黒川:女性の声を反映させたことで、売上にも変化はありましたか。

古浜:一定の成果を残すことができ、今もお客様にご愛顧いただけています。その経験を生かしてこの既存品でニーズが充足できない領域のラインアップの拡充に努めています。

黒川:チョコラBBスパークリングの成功体験がラインアップを増やすことにつながったわけですね。コミュニケーションを設計する上で意識していることはありますか。

古浜:先ほど黒川さんがお話していたように、女性はライフステージや価値観が多様化していることもあり、大変難しくなっていると思います。ただ、ラインアップがどれだけ増えても、チョコラBBの基幹のメッセージである「女性のキレイと元気を支えるブランドでありたい」というブランドメッセージを伝えるようにしています。

 チョコラBBの信頼度や効果の高さといったブランドの共通点は、TVCMなどマスコミュニケーションを通じて発信しています。一方、各商品の細分化されたニーズや情報は、その特性に合わせてコミュニケーションをデジタルや店頭施策にシフトして、マイクロマーケティングを実践しています。

黒川:媒体の使い分けに関してはどうお考えですか。

古浜:ニーズや年代、商品の特性に合わせて使い分けています。あとは、何のためにその施策をやるのかという目的ですね。それらに合わせて、お客様の多様化した購買意識に寄り添いながら、媒体を選定するように心がけています。

 特にデジタルに関しては、昨年度からプライベートDMPを導入したこともあり、蓄積したデータを活用しながら、日々トライ&エラーを繰り返しています。

キャラクターで親近感を演出

黒川:最近、チョコラBBとセーラームーンによるコラボキャンペーンが、私と年齢の近いアラサー女子の間で話題になっていたのですが、どういった背景があったのでしょうか。

古浜:炭酸飲料栄養機能食品であるチョコラBBジョマとチョコラBBスパークリングのターゲットがちょうどセーラームーンを見て育った世代でした。その世代に向けた商品だということがキャッチーに伝えられる上に、流通向けのインパクトも非常にあるキャラクターということもあり、それで実現に至りました。

黒川:反響はどうでしたか?

古浜:おかげさまで、セーラームーンファンの方々をはじめとして大変好評でした。オリジナルグッズが当たるキャンペーンを行ったところ、デジタル上のキャンペーン応募数は過去最高の数でした。

黒川:セーラームーンというキャラクターを起用することで、「半径5mの世界」を演出できたということも要因にありそうですね。親近感を演出する、非常にわかりやすいアイコンだと思います。

100周年を迎えられるようなブランドに

黒川:エーザイさんは、SNSへの取り組みも早かった印象があるのですが、いかがでしょうか。

古浜:Facebookは流行し始めた2012年ごろ、アカウントを開設しました。SNSは、お客様と双方向のコミュニケーションが図れるというのが強みである一方、苦労した点もありました。

 特に私たちは製薬会社なので、お客様から副作用に関する報告が上がったときに、一定期間内に厚生労働省へ報告しなければならないというルールがあります。ですので、SNS上にそういった書き込みがあった場合の対処法など社内上のルール作りをはじめ、様々なところで調整が求められました。

黒川:現在はSNSの効果を実感されていますか。

古浜:そうですね。Facebookから始め、現在ではLINE、Twitterも活用しています。SNSでフォローいただいている方は、非常にブランドロイヤルティの高い方々になっています。

黒川:最後に今後の展望をお願いします。

古浜:チョコラBBは今年で65周年を迎えました。これは間違いなくお客様のおかげです。今後も皆さんに愛されるブランドを目指したいです。また、チョコラBBを飲み始めたきっかけとして、お母さんから教えてもらったという声が多くあるので、今後も世代を超えてブランドが受け継がれるよう、多様化と細分化の進む女性に合わせた施策ができたらと思います。

黒川:今日のお話を伺って、エーザイさんは商品開発という視点でもマイクロマーケティングを取り入れていらっしゃることがよくわかりました。そして、マスとデジタルをうまく使い分けてメッセージを伝えておられるようですね。

 会場の皆さまもお客様に対し伝えたいメッセージがあると思いますが、それはいろんな形で解釈され、伝わっていきます。その解釈や反応を予測しながら対応し、ユーザーに適切な形でマーケティング活動ができれば、そしてそのヒントをセッションの中で得ていただけたなら幸いです。

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この記事の著者

元永 知宏(モトナガ トモヒロ)

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。『本田宗一郎 夢語録』、『羽生結弦語録』(ぴあ)などを編集。2016年10月に『期待はずれのドラフト1位』(岩波ジュニア新書)を上梓した。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/07 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27458

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