MarkeZine(マーケジン)

記事種別

なんとなく数字を眺めている人が、データから気づきを得て改善策につなげるには

2017/12/12 07:00

 なんとなく数字を眺めている人がデータ分析を行えるようになるには、気づきを得るための手法を学ぶ必要があります。MarkeZine Academyの人気講座「2日で分かるWebマーケティング基礎講座」で「ウェブ分析とPDCA」を担当する小川卓さん(HAPPY ANALYTICS)に、データ分析の基本と本講座についてうかがいます。

2日で分かるWebマーケティング基礎講座

ユーザーの行動結果をもとに評価や改善を行う

――「2日で分かるWebマーケティング基礎講座」で、小川さんは「ウェブ分析とPDCA」を担当されています。最初に、講座の概要をおしえてください。

小川:マーケティングに携わるのであれば、勘や上司の思いつきに頼るのではなくデータを分析することが大切です。特にサイトはユーザーが利用するものなので、ユーザーの行動結果をもとに評価や改善を行わないといけません

 ただ、多くの企業でアクセス解析ツールは導入されていると思いますが、数字をなんとなく見ているだけで気づきを得られていない、改善に活かせていないという状況があります。

 そこでこの講座では、データを分析して気づきを得るための第一歩を踏み出す方法をお伝えします。しかし、気づきを得るだけではサイトやビジネスは改善しないので、ページを改修したり集客方法を見直したり、気づきを改善へと反映する手法も紹介します。

「2日で分かるWebマーケティング基礎講座」全体の対象は、マーケティング担当になったばかりの方や、基礎から学んでノウハウを深めたい方だと思います。もちろん私の講座でも同じですが、特にデータの分析を必要としている方を対象としています。それは必ずしも専門のマーケターだけではなく、集客担当やSNS担当など多岐に渡ります。

 ライターや編集者などコンテンツを作っている方も、自分の仕事がサイトやビジネスにどれくらい貢献しているか知り、どう改善していけるのかを考える必要があります。サイト開発を行うエンジニアにとっても同様です。なので、本講座はサイトに携わっている方が全般的に対象であると言えますね。

小川卓さん
小川卓さん:HAPPY ANALYTICS 代表取締役社長

次のアクションにつなげるための手段

――分析を行ううえで意識しておくこと、大事になるポイントは何でしょうか。

小川分析は施策ではない、ということは意識しておかないといけません。SEOやリスティング、メルマガのような施策を行ったあと、結果を評価し、次によりよい結果を出すために分析を行うわけです。次のアクションにつなげる手段なんですよ。そういう意味では、分析はインフラに近いでしょう。

 ある施策を分析して、結果がよければ継続するという判断ができます。悪かったら、別の仮説を考えて次のプランを考えます。分析自体が売上に直結するわけではありませんが、施策の精度を上げたり効率よく行ったりするには不可欠です。

 皆さんも年に1、2回、健康診断を定期的に受けているのではないでしょうか。大切なのは受けることではなく、その結果をもとに改善を行うことです。悪ければ精密検査を受けて治療しなければなりません。数字を見るだけでは意味がないことは言うまでもないですよね。

 ところが、ことアクセス解析になると、毎週毎月の数字がレポートとして上がってきていても、その数字を見るだけの状況になってしまうわけです。なぜそうなるのかというと、そもそもデータをどう分析すればいいのかわからない、どうすれば気づきを得られるのかがわからないからなんです。

 そのため、数字を見て「伸びてる」「減ってる」「変わってない」という感想しか出てこない。どうしてかと疑問に思っても、改善まで行き届かず、そうこうしているうちに次のレポートが上がってきてしまうと。

 単純に分析にかける時間がない場合もあるでしょう。極論を言えば、アクセス解析をしなくてもサイトは作成でき、集客もできればコンテンツも作れます。本当は施策を振り返ったほうがいいんですが、しなくてもなんとか施策を回せます。そして、それぞれの施策には達成目標や締め切りがある。なので、どうしても分析の優先順位が下がってしまうんですよ。

 それだと効果があるのかないのかわからない施策も行わないといけなくなり、無駄が増えます。効率よくゴールを目指すにはデータ分析が必要ですが、やはりなかなかできていない企業が多いように感じています。

ゴールがない分析には意味がない

――分析やアクセス解析はどういう目的で行えばいいのでしょうか。

小川:データ分析の目的は先ほども言ったように、精度を高めて効率よくビジネスゴールを達成することにあります。なので、サイトでの売上を1年でこれくらいまで向上させる、といったようなゴールがないまま分析するのは、目的地のない旅をするのと同じです。

 ゴールが定まれば、売上を向上させるための施策を考えられるようになります。集客施策の実施やサイト改修、購買回数を増やしたり商品単価を上げたりすること、あるいは商品開発も手段の一つです。

 ただ、それ全部はできないので、何を重視するかが大事になります。KPIの考え方ですね。そしてやることを決めたら、ようやく分析を始めることになります。サイトに関係する指標を伸ばすなら、アクセス解析の出番です。

 例えば、ECサイトの購買数、コンバージョンを増やしたいとなった。だとすれば、コンバージョンしやすい人の行動を検証しますよね。データを見て、商品をお気に入りに登録する人のコンバージョンが高いことがわかったとします。そうすると、お気に入りを使ってもらうための施策を行うのが有望です。

 オウンドメディアも同じで、どういう記事が読まれやすいのかはデータを見なければわかりません。ライターや編集者の経験則もありますが、ユーザーが本当にその経験則どおりに行動しているのかを知るにはデータを分析する必要があります。読まれやすい記事の傾向を掴み、次に制作する記事に活かすわけです。データからいいところと悪いところを見つけ、それをビジネスにつなげることが大事ですね。

――そうした分析を行うためには、それなりのスキルが必要なんでしょうか。

小川:以前はそもそも分析するためのデータがなかったのが課題でしたが、現在はGoogleアナリティクスを始めとするアクセス解析ツールがあるので、どの企業でも大量のデータが集まってきていると思います。

 そのデータを分析して気づきを得るには、たしかに知っておいたほうがいいコツがあります。もちろん高いスキルがあるに越したことはありませんが、この講座でお伝えする基本の要素を押さえてもらえば、すぐにでも何かしら実践できるようになるでしょう。

 例えば、焼く、煮る、蒸すといった基本的な調理方法がわかれば、素材に応じた調理が可能になります。こうした調理方法を自分で試行錯誤して見つけるのはたいへん手間がかかるので、本やセミナーで知るほうが効率的です。自社のサイトに合った調理方法だけを知りたいと思ってしまうかもしれませんが、基本の型を先に学んだほうがあとで楽ができます。

なんとなく数字を眺めていた人が気づきを得られるようになる

――講座を受けることで、どれくらいのことができるようになりますか?

小川アクセス解析ツールをきちんと使ってサイト改善のためのヒントを見つけられるようになることが講座の目的です。これまでなんとなく数字を眺めていた方に、データを使えばもっといろいろな気づきを得られるんだと知ってもらいたいですね。

 受講した次の日は、ぜひアクセス解析ツールにログインしてもらいたいです。自分のサイトのデータを見てみないと講座の内容は身につきませんから。講座が受講者のためになったかどうかは講座自体の評価ではなく、次の日にアクセス解析ツールにログインしてデータを見ようとしてくれるかどうかなんです。

 聞いて学べることはきっかけでしかありません。そういう意味では、「2日で分かるWebマーケティング基礎講座」はモチベーションを上げる2日間だとも思います。もちろん、どの講座もきちんと価値を提供してはいますが、受講しているときに勝手にサイトが改善されるわけではないので、受講者の方に実際に取り組んでもらわないと意味がないですよね。成果を出すには、やるしかありません。

講座をチェック

2日で分かるWebマーケティング基礎講座
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

All contents copyright © 2006-2018 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5