これまでアプリマーケットの成長はゲームが牽引役だったが、アメリカではこの数年で小売や旅行業などの業種やいわゆるブランド広告主の間でもアプリの活用が広がりつつあるという。モバイルアプリマーケティングの計測など多彩な機能を擁するマーケティングプラットフォーム「TUNE Marketing Console」を提供しているTUNEのCEOであるピーター・ハミルトン氏とCTOのダン・コーク氏に、最新のモバイルマーケティングの動向と同社のビジョンを聞いた。
インハウス開発でユーザーのフィードバックに応えられるようにした
――TUNEのCEOになるまではどのようなキャリアを積んでいらっしゃったんでしょうか。
ハミルトン:大学を出てからオペラ歌手をしていたのですが、お金を稼ぐのは大変でした(笑)そこでウェブサイトを作る仕事を始めたのがきっかけで、ネットビジネスにのめりこんでいきました。
バイクの照明器具を売るECを運営していたこともあります。ヘルメットに付けるカメラみたいなものですね。その会社を売ってからは、ソーラーパネルを付けたエコ志向の草刈り機をリアル店舗で売るビジネスもやっていました。
こうした小売ビジネスと並行して、SEO対策をはじめとするパフォーマンスマーケティングのビジネスも続けてきました。そんな中、TUNEの創業者であるルーカス&リー・ブラウン兄弟に出会ったんです。
――ECや小売の実店舗をやりながら、パフォーマンスマーケティングでキャリアを積んでこられたわけですね。その後参画されたTUNEが全世界に拠点を拡げる急成長を遂げた要因は、どこにあるのでしょうか。
ハミルトン:第一に、モバイルアプリの計測ツール市場において、オンプレミスのベンダーが多い中、TUNEのようなSaaS型がなかったのは大きいですね。第二に、インハウスで開発に取り組める環境を整え、ユーザーからのフィードバックに細かく対応してきたのが市場での評価につながっています。
今こそ「モバイルでどうやって利益を出していくのか」を考えよう
――顧客からの要望に応えることが成長の源泉だというお話が出ましたが、日本の顧客からの要望や反響についてはどういう印象を持っていますか。
ハミルトン:ローカライズについての要望が強いですね。欧米向けに最適化されたUIと日本のユーザーにとって理想的なUIは違うと考えていますので、日本向けにUIを改善して、あたかも日本製のプロダクトだと感じてもらえるようにしていきたいです。機能面では、アプリ内通知のマーケティングオートメーション機能が特に好評です。
――日本企業によるアプリ活用はまだまだ限定的ですが、マーケティング担当者がモバイルマーケティングに対応していく上で、どういう課題があるとお考えですか。
ハミルトン:マーケターの課題というより、自社の事業を定義するビジネス部門の課題が大きいでしょう。「モバイルによってどう利益を出していきたいのか」というテーマについて、会社としてきちんと考えられるかがまず重要です。
そのうえで、CMOとCTOが同じ人だと技術的な問題が解決できて、モバイルへの移行がスムーズに進むはずです。マーケターはMAなどキャッチアップすべきことが多くて大変ですが、モバイルマーケティングについても知識を習得していき、組織への影響力を拡大していくべきです。
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江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)
東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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