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クックパッド流で動画でも圧倒的ナンバーワンを目指す 同社CEO岩田氏が今後10年の成長戦略を語る

料理動画が流行の現状は、大歓迎

――料理動画サービスが一気に拡大してきましたが、改めて今の状況をどのようにお考えですか?

岩田:前提として、我々は「料理の作り手を増やす」ということを徹底的にやっております。その上でお話しすると、グローバルで見ると料理動画の市場は、Tasty(テイスティ)さんとTastemade(テイストメイド)さんの2社が切り開いてきました。我々は世界で一番になることを考えており、この2社が切り開いてきた領域が、本当に料理の作り手を増やすことに貢献するのだろうか? という目線で見ていました

 我々も動画サービスに関して、色々な試行錯誤を重ねています。動画はエンターテインメントとしては面白いのですが、本当に動画を見て料理をするかというと、なかなかそうはいかない。これは各企業が苦労している部分だと思いますが、ほとんどがエンターテインメントとしてのコンテンツで終わってしまっているんですよね。料理動画の人気が拡大している様子を見ていて、動画の可能性は感じていたものの、その点でもったいないと思っていました。

 日本ではクラシルさんやデリッシュキッチンさんが、特に今年3月以降ユーザーを拡大させました。今まで料理をしなかった層のユーザーが料理をしてみよう、と関心を持つきっかけが増えたと思うので、今の状況は同市場の企業として大歓迎です。それをどうやってユーザーの行動につなげていくかということに、我々は注力していこうと思います。

――ライバル意識などはありますか?

岩田:世界的な潮流としては、料理をしない方へ向かっています。ファストフードは沢山あり、中食も充実していますよね。なので、こうした潮流に対して、業界みんなで対抗していくという認識の方が正しいかと思います

 料理動画を楽しんでいる人は多いのですが、行動に移すというところまで誘導しないと、今のムーブメントも一過性の面白いもので終わってしまいます。料理をそんな風に消費してはいけないので、業界全体で行動につなげていく姿勢が重要です。

――これまで形成してきたクックパッド流のコミュニティカルチャーがあると思いますが、動画事業でもこれを転用していくのでしょうか?

今田:そうですね。まずは、サービスを熱狂的に愛してくれるファンを増やしていきます。基本的に動画でもテキストベースのレシピ投稿を増やす仕組みを作った時と同じ方法で考えていますが、そこにSNSの力をプラスしていきたいですね。今回設立したスタジオで作成した動画は、クックパッドだけでなくSNSでも発信できるようにしていますし、インフルエンサーも上手く巻き込んで、事業を立ち上げるスピードを高めていきたいと思います

―課金サービスについて、御社独自のノウハウがあるとおっしゃっていました。「課金」についてクックパッド流の考え方を教えてください。

今田:日本において上手く課金モデルを確立できているサービスは、クックパッドくらいだと思いますが、我々は“ネット検索では解決できない問題解決に向けた投資=課金”だと考えています。

 たとえばクックパッドのプレミアムサービスを使えば、「人気レシピ」や「殿堂入りレシピ」を検索できるので、レシピを決める時間を早くすることができます。この場合は「時間に対して投資(課金)してもらう」と考えるのです。

 クックパッドの課金モデルをそのままトレースしようとしているプレイヤーさんもいますが、ユーザーの真意や課題が明確になっていないと、課金を成立させるのは難しいだろうなと思います。だから我々も「料理動画をどういう形で提供していくと、どのような問題が解決できるのだろう」という問いかけにフォーカスして、新しい課金の仕組みを形成していきます。

 クックパッドの課金モデルというよりは、これまで培ってきた「課金」への考え方を応用する形です。これで新しく挑戦できそうな領域が見つかったので、その領域でやっていくと決めました。この先の詳細は、こうご期待ですね!

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27602

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