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オンライン動画広告の最前線

アドブロッカーは本当にブランドの敵なのか 鍵となる3つの対処法

ユーザーエクスペリエンスを改善することが鍵

 「アンチアドブロック(広告ブロック機能をインストールしている端末にコンテンツを表示しないこと)」によって、情報を得たいユーザーにブロックを解除させることはタブーではなくなりつつある。

 しかし、アドブロッカーを敵視してイタチごっこで対策を採るというアプローチよりは、生活者に主導権を持たせ、アドブロックしなくても良いように、ユーザーエクスペリエンスの改善に取り組むことが最優先課題ではないだろうか。具体的には、以下の3つの改善策が考えられる。

対策1:自動再生ではなく、ユーザー主導のClick-to-Play広告フォーマット

 Facebookは、音声がミュートされている限りニュースフィードで自動再生動画広告が流れても問題ないと判断している。

 リーチやクリック数などを稼ぐために、ユーザーが意図しないリンクの選択といった誤操作しやすい設計や自動再生をデフォルトとする配信業者も多数存在する。

 しかし、自動再生は無音であっても生活者に視聴を強制しているため、良好な関係を失いかねない。より良いアプローチとしては、ページに表示された動画をクリックし、再生するかどうかの決定権をユーザーに委ねることだ。正しいユーザーに正しい文脈で質の良い広告を届けることができれば、広告は価値のある情報として能動的にクリックされやすい。

対策2:正しい人に正しいコンテキストで広告を配信する

 今や行動ターゲティングや予測型データ分析によって、オンラインでターゲットとなる生活者だけに広告を配信することが可能になった。

 プロダクトやサービスに興味を持ちそうにない人に広告を配信するべきではないことは明らかであるものの、これまではメディアの限界があったために、そのような広告をある程度許容してきた。つまり、あるモデルの新型車を売り出そうとすれば、興味を持ってくれそうな全人口の1%にリーチするために、その車に興味がない99%に対しても広告を露出する必要があったのだ。

 しかし、今後はそのモデルに興味を示し、車を買おうと考えているニーズの顕在層だけを狙うことができるようなターゲティング技術が生活者の不満を緩和してくれるはずだ。

対策3:フリークエンシーに注意する

 どんなに好きなブランドであっても、30回も繰り返し視聴を強制されると嫌いになってしまう。そうなれば、30回視聴させても嫌われないクリエイティブに苦心するよりも、配信頻度を変える方が効率的だ。特定のターゲットに1回だけ広告を見せることもできれば、パーチェスファネルのどこにいるかを考慮してフリークエンシーを調節することもできる。もし生活者がすでにプロダクトを認識しているなら、さらなる認知のためにメッセージを殺到させる必要はないはずである。

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アドブロッカーより恐ろしいもの

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この記事の著者

岩本 香織 [GlassView Japan](イワモト カオリ)

GlassView Japan合同会社COO。ニューヨークに拠点を置きグローバルでブランディング動画広告配信ソリューションを提供するGlassViewに、2015年における日本支社立ち上げメンバーとして参画。2016年より副代表に就任し、デジダル動画マーケティングで課題を抱える広告主・マーケティング担当者の支援をミ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27615

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