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デジタル時代ならではのマーケティング課題を解決 電通テックの「1/0(ワンゼロ)」がもたらす価値

 昨年12月18日、電通テックはLINE ビジネスコネクトを活用した新サービス「1/0(ワンゼロ)」の提供開始を発表した。「あらゆる顧客接点のデータから一人ひとりに最適なコネクトを」というタグラインを掲げている本サービスに込められた狙いや思い、提供価値についてサービス担当者二名から聞いた。

LINE ビジネスコネクトを活用した新サービス

電通テック デジタル・マーケティングセンター ソリューションデザイン&ディベロップメント部 デジタルマーケター/上級ウェブ解析士 高橋潤平氏(写真左)高橋遼氏(写真右)
電通テック デジタル・マーケティングセンター ソリューションデザイン&ディベロップメント部
デジタルマーケター/上級ウェブ解析士 高橋潤平氏(写真左)
デジタルマーケター 高橋遼氏(写真右)

―― LINE ビジネスコネクト(以下、ビジネスコネクト)を活用した新サービス「1/0(ワンゼロ)」がリリースされました。まず、本サービスをリリースした背景について教えてください。

高橋(男):弊社はプロモーション活動における、生活者との接点となるアクティベーションの企画、制作、運営を生業としています。昨今では生活者との接点として重要視されつつあるオウンドメディア上でのコンバージョンに対する期待も高まっている状況と感じています。

 複雑化するクライアントのマーケティング課題を解決するためには、デジタル、アナログ問わず一つひとつの接点で発生するデータを活用し、課題把握から施策実行までのPDCA強化が必要不可欠と考えています。PDCAを強化することでクライアントのマーケティングROIの改善につながりますし、長期的な事業成長にしっかりコミットすることができます。

高橋(女):デジタル上で、生活者が最も接点をもっている場所がどこかというとLINEですよね。その存在はコミュニケーションツールというよりは、もはや生活インフラになっていると言っても差し支えないと思います。ご家族や友人とのコミュニケーションはもちろん、私たちのクライアントが生活者と接点を持つ場所としても非常に活用されていることもあって、今回ビジネスコネクトを活用した新サービスをリリースするにいたりました。

―― 生活インフラとなったLINEでの接点を軸に、生活者との最適なコネクトの実現を支援するというわけですね。サービスリリースにあたって、お二人はどのような役割を担われているのでしょうか。

高橋(男):元々私たちはデジタルマーケティング領域において、クライアントのオウンドメディアやランディングページをお預かりして、成果が出るようなPDCA運用の部分を担当していました。本サービスにおいては、我々はサービスや機能などの企画・設計を行っていまして、そういった現場で培った知見や経験が詰まっています。

高橋(女):ビジネスコネクトを活用したサービスは既にたくさんありますが、弊社ならではの強みを活かすにはどうしたらよいのだろうかと毎日の業務で考えていました。これまでの仕事を通じて見えてきた課題に対する解決策となるサービスと自負しております。

生活者に境目はない 「1/0(ワンゼロ)」に込めた思い

―― 「1/0(ワンゼロ)」というサービス名にはどのような思いが込められているのでしょうか。

高橋(男):デジタル信号でONのことを「1」、OFFのことを「0」と言います。とかくデジタルが注目されがちな世の中ではありますが、生活者と企業が出会い、感情が動く場所にデジタル、アナログといった境目はありません。そういった思いを表現するために「1/0(ワンゼロ)」というサービス名に決まりました。20案ほど出て、喧々諤々の議論の末に生まれたサービス名です(笑)。

高橋(女):「オウンドメディア上での顧客接点が重要である」という話題がでましたが、それ以外でもイベントでのデジタル体験の提供や、印刷物・ポスターといったオフラインの制作物、生活者と企業が関わりを持った結果お渡しするノベルティやプレゼントの制作なども弊社の生業です。そういった弊社のフィロソフィーも詰まっています。

―― 「あらゆる顧客接点のデータから一人ひとりに最適なコネクトを」というタグラインもサービスの価値を端的に表していると感じます。

高橋(女):ありがとうございます。ビジネスコネクトが元来持つソリューションとしての可能性を、当社ならではのデータ活用により拡張し、生活者個々に最適な内容とタイミングでお届けし、強固なエンゲージメントとコンバージョンを実現するという意味を込めています。

デジタル浸透での新たなマーケティング課題が浮き彫りに

―― 現状のマーケティング課題についてどのような認識を持たれていますか。直近のクライアントの声としてはどういったことが課題に挙がりやすいでしょうか。

高橋(女):よく課題として挙がるのは「効果測定」についてです。今に始まった話ではありませんが、その声は高まっている印象です。サンプリングなどリアルで物を配るにしても、それがどう貢献したか、どう効果があったのかという説明が必ず求められます。そのような課題へ対応するための機能も今回のサービスには盛り込まれております。

高橋(男):クライアントは短期的な視点ではなく「長期的な視点」を求めてきていると感じます。数年スパンの中長期的な視点でマーケティング課題に向き合い、共に伴走してくれるパートナーが必要です。昨今は打ち上げ花火的なキャンペーンよりも、確実にお客様を増やしていったりロイヤリティを向上させていくことでエンゲージメントを深めていく施策が求められるので、必然的に中長期的な視点が求められる流れになっているのではないでしょうか。

―― どちらもよく耳にする課題です。デジタルが一般化する以前からプロモーション領域を生業としていた御社に求められる役割も変化しているのでしょうか。

高橋(男):イベント、キャンペーン、制作物、ノベルティなど弊社はこれまでも広告主のマーケティング課題の解決に有効な顧客接点を幅広く提供してきました。それがデジタル時代となり、デジタル、アナログの境目なく顧客接点データが取得できるようになりました。ただ、現実にはデジタルとアナログの顧客接点データを組み合わせて活用されているかというと、まだまだ進んでいないのが現状です。その中でデジタルとアナログ双方の顧客接点データを扱える弊社はユニークな立ち位置であり、デジタル、アナログ分け隔てない提案が求められている状況です。

高橋(女):弊社のデジタルマーケティングの型は、従来のマーケティングファネルの発想ではなく、一本釣と呼んでいます。顧客接点データを基に無駄打ちの少ない効率的なマーケティングが実現できる現在だからこその手法といえ、弊社ならではの提案に対する期待も感じています。

広告主の課題に向き合い続けたからこそ生まれた「提供価値」

―― では「1/0(ワンゼロ)」の提供価値について教えてください。具体的にはどんなことができるようになるのでしょうか。

高橋(男):タグラインに込めた思いのとおり、これまでデジタル・アナログ関係なくクライアントのマーケティング課題に向き合ってきた私たちだからこそ提供できる価値があると考えています。

 たとえば、リアルイベントでの活用。チケット購入・発行から、イベント会場内での行動把握や決済もLINE Payで行うことで、来場者の回遊履歴や決済データを基にした、人気コンテンツやUI/UXの把握、次回開催時の動線設計に活用できます。

 今までは、イベントにおけるKPIが「参加者数」という量的な指標しかなかったり、しかもその目標は前年比同等といった基準だったりすることが正直多かったです。一方この活用法なら、お客様一人ひとりのアクチュアルデータを基にしたコンテンツや演出のPDCAを行い、次回に向けた最適化が図られるのはもちろんのこと、商品開発やコンテンツ開発、事業シナリオの設計にまで役立てることができます。それにより、お客様とのロングエンゲージメントを作り出し、事業の継続的な発展に貢献できます。

高橋(女):LINE上で交わされたやり取りから、生活者の嗜好や購買意欲を把握し、コンバージョンにつながる効果的な顧客対応もできます。お客様一人ひとりの嗜好性を把握したやりとりを行うことに加え、LINEのトークだからこその質問や悩み、つまりお客様のホンネを引き出せることがポイントですね。

 チャットボットによる応対と、非対面接客に長けたオペレータによる対応を効率的に組み合わせて行うことにより、クライアントにとっては運営コストの低減と売上拡大の両面を同時に実現させる、非常に高い効果を生み出します。

 具体的には空色社のチャットシステム「OK SKY」と連携しています。これによって提案から購入までを対応可能な高品質のAI接客が実現できます。

高橋(男):また、昨今スマートスピーカーが話題ですが、こういったIoT家電との連携も視野に入れています。現在、テレビの予約録画や洗濯機の予約をLINE上から行える家電が次々とリリースされていますよね。いつ洗濯機を予約したのか、どんな番組を録画したのかという一つひとつのデータを管理・把握することができます。

 これは想像しやすい例として挙げましたが、マーケティング・コミュニケーション活動において、生活者と直接、個別にやりとりすることがこれからますます重要になってきます。

 その際、生活者の反応や行動履歴、あらゆる顧客接点で生じる行動ログを集積することで、情報のターゲティング精度が格段に上がります。結果として、生活者も自分にマッチした有意義な情報を基に豊かな生活を送ることができる、そのような世界を我々は目指しています。

―― まさに、あらゆる顧客接点データの活用を視野に入れた設計になっているのですね。合わせて1/0(ワンゼロ)の基本機能についても教えてください。

高橋(男):基本機能は「セグメント配信」「キャンペーン展開」「bot/1on1トーク」「顧客DB連携」の4つとなります。セグメント配信はビジネスコネクトならではのデータをベースにして、配信内容・目的に応じて生活者ごとに最適な情報を配信します。キャンペーン展開はLINE上で各種キャンペーンの実施が可能です。応募フォームのデータをCRMへ活用することもできます。

 bot/1to1トークは、bot・AIなどを使って自動応答でコミュニケーションを行う機能です。自動応答だけではなく有人チャット対応も可能で、スタッフが必要に応じてチャットを介してお客様のお問い合わせに答えるなど、リアル店舗に行けない方でもチャットを通してその場で購入可能なサービスも行っております。顧客DB連携は、クライアントが保有する会員DBや購買DBなどを連携させることで、様々なサービス提供が可能です。

 この4つの基本機能にそれぞれカスタマイズ機能がついています。たとえばセグメント配信には来店ユーザー配信やイベント来場者配信といった機能もあるのですが、これは電通テック独自のLINEと連携したSNSマーケティングサービス「SC121」(※)やLINE Beaconを活用した仕組みです。

※「SC121」は電通テックとシャトルロックジャパンで共同開発を行っているサービスです。

高橋(女):SNSプロモーションでは写真を撮ってハッシュタグを投稿してくださいといったキャンペーンがよくあると思います。これまでのやり方だとユーザーから投稿してもらって終わりのケースがほとんどだと思いますが、LINEからの参加を可能にすることで、その後のCRMまで実現したのが「SC121」です。

 具体的には企業のLINEアカウントと友だちになって、LINEのトーク上で写真を送ると、それが応募となりWebサイトやキャンペーンサイトに吸い上げられるという仕組みです。

 LINEアカウントを他のSNSのアカウントを連携させることができるので、たとえばTwitterのアカウントを連携すると、キャンペーンにはTwitterで参加するけど、当選通知はLINEに届くというようなアプローチもできるようになります。

 TwitterやInstagramのユーザーは、キャンペーン参加のために購買や申込といった行動をしてくれるのは確かですが、どういうユーザーか特定できませんでした。それがLINEとつながることによって、ユーザーの属性が見えるとともに継続的なコミュニケーションも可能となります。

―― なるほど。カスタマイズ機能を使うことで、より高度なコミュニケーションができるようになるわけですね。気になる料金はどの程度になるのでしょうか。

高橋(男):詳細はお問い合わせベースになるのですが、広告主が抱えるマーケティング課題に柔軟に対応したいと考えているため、ビジネスコネクトの活用において最もニーズが高い基本機能をエントリープランとし導入しやすい価格でパーケージ化しています。

 それに加えて、実施の際は必ず私たち担当の方で、クライアントがお持ちの課題や中長期的にそのアカウントをどのようにしていきたいかヒアリングした上で、個別にカスタマイズした機能を提供させて頂く二段階の設計で考えております。

2018年度で20件以上の受注を目指す

―― 今後の展望について導入目標数など交えて教えてください。

高橋(男):目標としては2018年度で20件以上の受注を目指していきます。マーケティング課題の解決のためにビジネスコネクトの活用を検討している企業様はもちろん、既にビジネスコネクトに取り組まれている企業様のお役に立てる部分があると思いますので、ぜひ弊社のサービスを試して頂きたいですね。

 イベントや店頭といったオフラインでのプロモーションがメインの企業様ですと、LINEやデジタルといっただけで「縁がない」と思われるかもしれません。しかし、先に申し上げたとおり私たちのサービス思想は「あらゆる顧客接点のデータ」を対象としており、デジタル、アナログの境目を設けておりませんので、ぜひお話だけでも聞いて頂ければと思います。

高橋(女):現場の肌感からニーズが確実にあるのはわかっていますので、一緒に事例を作って頂ける企業様を探していきたいと考えてます。私たちなりの強みを武器にして、新しい価値を提供していきたいですね。

―― ありがとうございました。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27619