ブランドと各SNSの相性を見極める
MZ:組織体制の整備、属人化を防ぐドキュメントの作成が大事なんですね。それから、マーケティングに活用する以上、ビジネスへの貢献に対する説明を求められることも多いと思います。どのようにロイヤルティを可視化すればいいのでしょうか?
長谷川:確かにいいね数やRT数がどの程度ビジネスに貢献しているかを測定するのは難しいテーマです。1つの方法として、フォロワーに対しブランドへの好意度や購入意向などのアンケートを行い、フォロワーになってからの態度変容を確かめることですね。
MZ:なるほど。もう少し運用のコツについてうかがいたいのですが、SNSによってかなり場の雰囲気が異なるので、自社に合うSNSや響くコンテンツも変わってくると思います。そもそもSNSをどう選べばいいでしょうか?
長谷川:マーケティングの目的に基づいてプラットフォームを選ぶのが最も重要です。たとえば若年層に向けてのリブランディングが目的であれば、ターゲットとなり得る若年層がどの程度アクティブに存在するか等の理由でInstagramが候補に挙げられます。
広瀬:最初の段階でSNSの選定を誤ると、今まで築いてきたブランドイメージを損なってしまうこともあります。そもそもの目的を明確にした上で、プラットフォーム毎の特性はもちろん、そこにどのようなユーザーがいて、どのようなコミュニケーションが求められるかを丁寧に見極めたいですね。流行っているメディアであることとブランドにとって有益かどうかは別物です。
仮説、実行、効果検証を積み重ねる
MZ:投稿内容については、どうですか? 炎上を恐れすぎると無難な投稿になってしまい、反応がないという事態にもつながりそうです。
広瀬:明らかに反感を買うような投稿はどの企業もしないと思いますが、投稿のタイミングが悪かったり表現を間違えたりして読み手(フォロワー)にショックを与え、炎上してしまったという事例もあります。
SNSは時流に乗ることが大事なので、公式アカウントとして活用できるトレンドワード等があればなるべく早くアウトプットした方がいいのですが、投稿前に「このタイミングでこの内容の投稿をして傷つく(誤解する)ユーザーはいないか?」という視点も重要です。
長谷川:それと、少し矛盾しますが、スピード感を保つためにはチェックする人の数はそこまで多くないほうがいいです。ただし文脈をしっかりと読み、適切なタイミングかどうかをチェックすること。その役割は、ベテランの方がいいですね。担当者一人体制ではリスクヘッジの面で不十分なので複数人体制を推奨しますが、投稿内容は読み飛ばさずきちんと相互チェックし合う仕組みが大事です。
また、その仕組みを実現する上でツールの活用は欠かせません。私たちの提供する「コムニコ マーケティングスイート」では、複数人での投稿確認・承認作業をスムーズに進行するための機能が備わっています。
MZ:組織体制はもちろん、ツールの活用も重要ということですね。では、今回のまとめをひとことお願いします!
長谷川:SNSは短期的に成果を得られるものではないので、まず長期のスパンで考えましょう。正解はないので、理想の体制を整えながら地道にトライ&エラーを重ねることで、自社なりの手応えのあるパターンが見えてきます。
また、今回の記事を読んでいる方向けに「SNS運用あるある20選」という資料も用意しました。起きやすいミスやトラブルの対処法も載っているので、こちらも参考にしていただくと良いと思います。
広瀬:これだけSNSが人々の生活に定着した今、SNSは「使うか使わないか」ではなく「どのように使うか」を考えるしかありません。自社でやるにせよ、パートナーと組むにせよ、ムリのない運用体制を築くことと、一つひとつ丁寧に効果検証してノウハウを貯めることが成功への近道です。
MZ:ありがとうございました。次回は、パートナー企業を探している、あるいは現状の運用に満足していない方向けに、「パートナー選びに必要なポイント」を解説していただきます。
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