昨今、厳しいといわれている百貨店業界。各社生き残りをかけ、様々な取り組みを行っているが、本記事では、2017年プランタン銀座から改称し新たなスタートを切ったマロニエゲートの木村社長、リクルートライフスタイルの熊沢氏、ブログウォッチャーの酒田氏にインタビュー。マロニエゲートの商業施設活性化を目指した、アプリと位置情報を活用した取り組みについて語ってもらった。
異色の経歴を持つ社長
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、自己紹介からお願いします。
木村:私は現在マロニエゲートの社長を務めています。マロニエゲートは、2016年末に閉店した「プランタン銀座」というデパートを「マロニエゲート銀座2&3」にリニューアルし、新会社として2017年1月にスタートを切りました。
「マロニエゲート銀座2&3」と隣の「マロニエゲート銀座1」のビルのオーナーは読売新聞です。私も元は読売新聞の社会部の記者出身で、新会社設立のタイミングで社長に就任しました。ちなみに、これまで物を売った経験は1度もないし、社長就任が決まるまで、プランタン銀座に入ったことは1度もありませんでした。

株式会社リクルートライフスタイル ネットビジネス本部
Air事業ユニット ショプリエプロデューサー 熊沢恭志氏
株式会社ブログウォッチャー プロファイルパスポート事業部
ロケーションインテリジェンス本部 プロデューサー 酒田理人氏
MZ:異色の経歴ですね。続いて熊沢さんお願いします。
熊沢:私はリクルートライフスタイルでショプリエというデジタル会員証のサービスのプロデューサーをしています。現在ショプリエでは主に、実店舗をお持ちのクライアントさんに対して、会員証をデジタル化するお手伝いをしています。
これにより、簡単に購買データを取得できるのはもちろん、手前の「来店した」「最寄り駅に来た」というスマホならではの情報も得られます。そのため、今回のように、ブログウォッチャーさんと一緒に分析をするという取り組みを進めています。
MZ:では最後に酒田さん、お願いします。
酒田:ブログウォッチャーの酒田です。私は元々位置情報の研究をずっとしてきました。最近ではその知見を活かし、位置情報のデータを使って、どんな事業ができるかを事業責任者として考えています。
位置情報の活用といっても、現在は広告で活用する以外の道を模索しているところです。今回の取り組みもその一環となっています。
怒涛の1年で取り組むデジタルシフト
MZ:マロニエゲートになったタイミングで、経営体制は大きく変わりましたか。
木村:もちろんです。皆さんご存知の通り、百貨店というビジネスモデル、これまでの社員が仕入れて社員が自分たちで売るということが成り立たなくなってきています。
私たちも、テナントを集めてその賃料で収益を上げていくビジネスモデルへとシフトしています。それにより、2016年は140人いた社員が現在40人程度となりました。2017年は経営形態は変わる、業態は変わる、社員が激減するという、怒涛の1年間を過ごしてきました。
MZ:その中で今回ショプリエや位置情報といったデジタルの活用に踏み切ろうと考えたのはなぜですか。
木村:プランタン銀座では、プランタンGINZAカードというクレジットカードを提供していました。クレジットカードというのは強力な販促ツールで、お客様にも大変喜ばれていました。
また、POSを通じて、様々な顧客データが取れます。そのためクレジットカードは集客機能と顧客管理機能を兼ね備えた、商業施設にとって最強のツールでした。しかし、プランタン銀座の閉店と同時にサービスを終了せざるをせざるを得ず、その代替策を探すのがきっかけでした。
MZ:小売に関する知識が少ない中で代替策を探すのは大変でしたか。
木村:私はデジタルに関する知識もそこまでなかったので、小売向けのアプリに関するサービスの情報を必死に収集しましたね。
MZ:社長自ら情報収集をされていたんですか?
木村:自分で探して、自ら様々な企業の方に声をかけました。プランタン銀座時代、ITやデジタルに関する施策はほとんど行っておらず、デジタルサイネージもありませんでした。でも、今こうして取材を受けるほどの成果が出ているので、デジタルシフトは少しずつ進んでいると思います。
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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
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