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デパートにデジタル変革を マロニエゲートが取り組むアプリ・位置情報活用に迫る

ショプリエを選んだ最大の理由は?

MZ:その経緯の中、ショプリエが1番の決め手となった理由はなんだったのでしょうか。

木村:リクルートIDという会員基盤が当時は一番の決め手でした。ポイントは本来発行したら自分が負担しなければならない。ただ、Pontaポイントは、リクルートの持つサービスを利用することで基本は蓄積するので、それをマロニエゲートで使っていただく分には、我々の負担はなく、得だと考えました。ただ、現在のところポイント利用がとても多いわけではないので、改善の余地が大幅にあると思っています。

熊沢:ショプリエは、ポイントカードを電子化できるだけのサービスではありません。特に、リクルートID会員に対して集客のアプローチができるのは、マロニエゲートさんにとってもメリットがあったと思います。

 オープン時、リクルートID会員に告知をして店舗に来てもらいました。実際にそれによってどれくらいの来店、売上が出たかもデータとして取得できており、数億の売上がその告知経由であることも明らかになっています。

位置情報で銀座の人流を解析

MZ:アプリの活用に加え、ブログウォッチャーさんとも協力し、位置情報の活用に踏み切ったと聞いています、それは熊沢さんが提案されたんですか?

熊沢:そうです。これまで位置情報データは取得できていたのですが、活用できていない状況でした。そこで、位置情報をどのように活用したいか、木村社長のアドバイスをもとにテーマを考えました。銀座では2017年4月に大型商業施設のオープンもあったので、それにより人の量や移動がどう変化しているのか、分析して傾向を見ることにしました。

木村:新たな商業施設というのは我々にとって、最初はとても脅威でした。新しくスタートを切ったばかりでしたので、どの程度競合するかといったことを把握したいと考えました。

MZ:確かに相当盛り上がっていた印象があります。

熊沢:その際、木村社長がおっしゃったのが、「銀座に来る人自体も増えているはずだ」ということでした。そのため、どの施設が恩恵を受けているのかを把握しようということでした。

人流解析でわかった新たな大型商業施設の影響

MZ:実際に行った施策について教えてください。

酒田:まず、銀座と、隣接するエリアである丸の内でどれだけ人の動きが違うのかということを見ました。曜日によって人の動きが違うというのが総論で、たとえば銀座は土日も人が集まるのに対し、丸の内はオフィス街ということもあり土日は人の動きが減ります。

 次に、銀座にフォーカスを当て、ハイブランドが多いエリア、銀座4丁目周辺エリア、新橋方面エリアと3つに区分しました。その上で、各エリアの動きを見ると、お昼は百貨店が集まるエリアが混み、夜になると飲み屋が多い新橋方面エリアに人が集まるということが明らかになりました。

MZ:オープンの影響はどうでしたか。

酒田:青い線が新しい大型商業施設です。オープン以降、そのほかの施設で恩恵を受けているところがいくつかありました。つまり、銀座全体に人が集まり、恩恵を受けた施設もいくつかあったということです。

MZ:その他の気づきはありますか。

熊沢:先ほどは銀座の中でどう動いているかを見ていましたが、そもそもその人はどこから銀座や商業施設に来ているかをあわせて見ました。その結果、店舗によって商圏が大きく異なることが明らかになりました。商圏がわかると観光ついでなのか、通勤や通学途中に寄っているのかも把握できるので、今後に活かせるデータは得られたと考えています。

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位置情報とアプリがもたらした恩恵は?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27699

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